人生足別離～愛ゆえに放浪～

その日は明けだった

10月22日だった

午後3時少し前だった

私はいつものようにのんべんだらりんとしていて

息子鳥牙も久々の木曜日以外の休みだったので

「カラオケ行かない？」となった

その時何故だかあのじじいの車が気になった

いや、なかっただけだったんだけど

そして4時間耐久カラオケを済ませて

次はＴＭレボリューションと水樹奈々のデュエットのアレを覚えようと

鳥牙はＣＤショップに私は家でご飯支度をする事になった

その時はもうじじいの車はあったと記憶している



で、翌２３日朝の事

じじいと同じ乗り場で私より7歳年上の他社の女性ドライバーさんから着信

この方は脳梗塞で倒れて奇跡の復活を遂げた方で以前は私と同じグループの

他社で乗っていたけど復帰がかなわず他のグループの他社に移籍した

キャリアは１０年を越えていてバツイチで同じ乗り場の個タクさんと

つきあっているのだが、この個タクさんは去年までうちにいた女性ドライバーの

元旦那だったりして何だかとっても複雑な関係？なんだけど復帰後仲良くなった


「あのね、Ｎ（じじい本名）が昨日入院したよ。

昨日救急車で運ばれて肺から水抜く手術したんだって…」


はぃぃ？じゃなくって「肺」ですか？

水ですか？手術ですか？


じじい自宅に行ってみたけど誰も出て来ない

試しに本人の携帯に電話したら今にも死にそうな声で出やがった


「入院したって聞いたんだけど今どこ？」

「病院」

「どこの？」

「大丈夫だ」

「だからどこの？」

「あっ！」


そのまま電話が切れてそれ以降繋がらない


肺に水が溜まってそれを抜いて？肺水腫っつ～事？

私の身近で肺に水が溜まった事があるのは父方祖母のみ

糖尿から心臓やら腎臓やら何やらかにやら合併症を起こして

肺水腫にもなって…でもそれってかなり末期の事だった


じじいの会社の仲のいい人に事情を聞いたが、昨日手術後？に

簡易用のアタッチメントみたいなのをくっつけて血を流しながら

会社に来て当分休むからと言いに来たのと救急車じゃなく自家用車で

病院に行ってすぐに手術をして会社から自宅に車を置きに行ったと…


「馬鹿過ぎる」

「だから誰か面倒見る人がいないとｗ」

「でも病院分かっても病室分かんない」

「う～ん」


行こうかどうか迷った

仕事中だし…

別れてるし…

本人病院も言わなかったし…


一度病院に向かったけど病室を教えてもらえるかどうか…

と思っていたら件の姉さんから着信アリ

で、「病室教えてくれるよ♪」と背中を押された


乗り場にいても色々なドライバーさん達に事情を聞かれるし

別れたのを知らなかった人も多かったし

もう仕方ないなぁ…で行く事にした