長峰ブログ

2015/12/30(水)22:19

母と暮らせば

書評(272)

吉永小百合氏と二宮和也氏が主演する映画「母と暮らせば」 の小説を読んだ。思った通りの作品だった。映画を観ると それで終わりだが、主演の二人のイメージが明確なので、本 を読むだけで情景が目に浮かぶのだ。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】小説 母と暮せば [ 山田洋次 ] 価格:1,080円(税込、送料込) 1945年8月9日、長崎に投下された原爆で、二男を亡くした 母が吉永氏。二男、浩二が二宮氏である。長崎医大の学生だ った二男は、授業中、原爆によって一瞬のうちに消えてしま った。 彼の遺骨も、衣服の切れ端もは何も残っていない。それゆえ、 母は死んだとは思えず、二男の恋人、町子と一緒に諦めきれ ない日々を送っていた。 そして3年が経ち、1948年8月9日の墓参りの際、母はもはや 生きているということを諦めようと決意するのだった。それ からである。二男が母のもとに現れた。いわく、「母さんが 諦めてくれたから出てくることが出来た。諦めが悪かね」と。 古き良き、と言っていいのだろうか。いまの日本人が失って しまったかのように見える「あり方」が描かれている。美し い日本の心と言ったらいいのだろうか。 ただ、エピローグのくだりは必要なのだろうか。なぜか作り 話と強調しているように思える。蛇足ではないかと、個人的 には思うのだった。

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