長峰ブログ

今朝の日経新聞1面に、すべての運用会社がMMFを償還する

という記事が出ていた。マイナス金利によって、安定した

利回り確保が難しくなったからである。記事では、「MMFを

扱う全11社が償還する見通しで、一時は残高が20兆円を超え

た人気投資信託が事実上、姿を消す」と書かれている。


具体的な運用会社として、野村アセットマネジメントや大和

証券投資信託委託などの名前が登場し、償還の方針を固めた

となっているが、実は、両社とも償還の方針を発表した事実

はない。


大和証券投資信託委託は10月、野村アセットマネジメントは

8月、三菱ＵＦＪ国際投信は4～5月の償還に向けて手続きを

進めているとしている。日興アセットマネジメントなど5社は

7日までに償還を発表したとある。どうやら、この日興アセット

などの発表を持って、大和も野村も償還する方針と結論付けた

ようである。


MMFは1年未満の短い債券を組み入れた投資信託で、元本保証は

ないものの安定運用が期待できる。しかし、米エンロンの破綻

で同社債を組み入れたMMFが、元本割れとなり下火になった。今

回も、マイナス金利で元本割れをする前に、資金を投資家に返し

た方がいいという判断である。


現在、すべての運用会社で、新規の購入は中止されている。それ

でも、確定拠出年金制度の運用商品ラインアップに、MMFが入っ

ている場合もあるが、この場合はいまだに新規購入も行なわれて

いる。また、確定拠出年金制度では、現時点で償還の予定もない

と聞いている。


しかしそうは言っても、安定した運用収益は期待できないし、元本

割れの可能性も高まっている。そう考えると、MMFへの投資は減る

だろうから、やはりいずれは償還されてしまう運命だろうか。