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カテゴリ:書評
西川美和氏の「永い言い訳」を読んだ。本屋大賞にノミネート
され、今秋、本木雅弘氏主演で映画化される、ある小説家夫婦 の物語だ。著者は映画監督であるから、映画化でも自らメガホン を握る。
妻がその友人とバス旅行に行って、事故で亡くなる。当の夫は 小説家で、女性編集者と共にしているときだった。冷め切って いた夫婦が、妻の死後、本当の夫婦としてこころを通わせてい くまでの物語と言ったらいいだろうか。一緒に亡くなった友人 の夫とふたりの幼い兄弟とのかかわりを通じて、子ども嫌いの 彼はこころを取り戻していくのだ。読後のこころは満たされる。 (P304より) そんな状況をどうすれば良かったのか、どうすれば少しでもマシ になったのか、君と別れた方が良かったのかも知れないし、別の 方法もあったのかも知れないが、何にせよ、生きてるうちの努力 が肝心だ。時間には限りがあるということ、人は後悔する生き物 だということを、頭の芯から理解してるはずなのに、最も身近な 人間に、誠意を欠いてしまうのは、どういうわけなのだろう。 愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年03月19日 15時57分23秒
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