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カテゴリ:書評
「失敗学」で有名な、畑村洋太郎氏の「技術の街道をゆく」を読んだ。
技術屋さんは読んだ方がいい。新書で軽く読める。しかも、気づきの 多い内容だ。 技術の街道をゆく (岩波新書) [ 畑村洋太郎 ] 「街道をゆく」というのは、司馬遼太郎氏のシリーズから採ったそうだ。 「現地」を訪ね、「現物」に触り、「現場」の人と議論する。「3現」 をモットーにした筆者にとって、「ハタムラ版 街道をゆく」というのは ピッタリだ。 第6章「道なき道をゆく」が特にいい。ベトナムでホンダがイミテーション を抱き込んで、中国車とのシェアを逆転させた話。インドネシアでコマツ が、中古市場に出た建設機械を自社で引き取り、分解して組み立て直して 販売する話。 その中古品の中には、イミテーションで安直な部品が使われており、組み 立て直す際、他で真似できない自社の部品を仕込むことによって認められ、 政府から税の優遇をも受けている。 日本の技術者は、「良い物を作れば売れるハズ」という考え方が染みつい ている。つまり、「良い物さえ作っていればいい」という考え方にすり替 わっていくのだ。「物の世界」に閉じこもっているうちに、人々が「欲し い」と思う製品からどんどん離れてしまう。気づきの本。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年02月02日 22時50分04秒
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