トカトントン 2.1

2005/05/21(土)02:10

タイガー&ドラゴン 「明烏」の回

テレビ番組(367)

■私の周りではオープニングの話し手が次回は誰になるかって話題が盛り上がっていて、今回は昇太師匠がメインの話だから彼だろう、いや彼はスペシャルで一回、もうすでに上がっているから、うどんあたりが来るんじゃないかというのが大方の意見だった。で、開けてみたら、ゲストかよって、またやられた今回。的中率2割以上は番組の負けって覚悟があるかのようなはずし方をするよなぁ、まったく。 ■それでも、やっと流れは止まった感じの今回。今日はさらさらいけそうだ。前回までの完成度でこのまま行ったら、最終回なんて永遠に来ないんじゃないかってくらいの連続性だったけど、やっと一休みできそうです。じゃ、その原因はどこにあるかというと、ゲストの薬師丸さんに対するアテ書きの無さでしょう。どういう都合か知らないけど、彼女がこの役をやるという前提でホンが書かれていない。ここで濃密さが無くなりました。 ■官九郎つながりでいけば美礼先生、あの30過ぎでありながらの不思議感。ぶっさんが最後に見たこの世の風景が美礼先生の服に付いてるしじみだったというシーンがすごく好きだ。そして役者薬師丸ひろ子といえば「セーラー服と機関銃」、あのブリッジしながら歌を歌うシーンの相米慎二的長回しにはやられた。私が彼女の映画で最も好きなのは「翔んだカップル」、相手役は鶴見辰吾か。あれそういえば、この映画、尾美としのり君も出ていたじゃないか!なんだ、いくらでもいじれたじゃないか。「Wの悲劇」だって、引用できるエピソードはいっぱいあったはず。というわけで、これだけサブストーリー豊富な人材を使っていながら、通り一遍のどん吉の相手役で終わらせてしまった物足りなさがありました。 ■流れが止まったと書いたが、実はこのドラマ、向かおうとする先にはそんなにカタルシスは期待できないんですね。言いかえれば物語の展開に何かを期待するような作り方をしていない。小虎の昇進ストーリーに我々はハラハラしているわけでもなく、竜二と西田さんの和解を心待ちにしているわけでもない。最終話でおそらく高座に上がるであろう岡田君の名人芸を楽しみにしているかというと、それが全てではない。メグミは最終的に誰の元に収まるのかって、これは田舎の亭主に決まっている。 ■だから見ている側が期待するのは「落語」と提示される物語のシンクロ具合なんですね。前回までの話が心に浸みたのはその物語の部分のスマートな展開と強い感受性、なおかつ元ネタの噺がそれの底辺に見え隠れしているという点にあるというのが私の意見です。だから今回は「明烏」というお噺を物語の方がなぞったに過ぎないという印象が強いです。 ■今回一番好きなのは、そば屋での長瀬と銀次郎のシーンですね。落ち込んでいるギンギンに型にはまるな、自分のスタイルでやればいいって説教なんですけど。古典と呼ばれているものも最初から古典だったわけではないじゃないか、常套句も最初にそれを言ったやつは自然な気持ちで言ったはずだっていうところです。スペシャルでは全く言葉を持っていなかったタイガーがこんなセリフを吐けるようになるとは。でもね、言葉を持たないからこそのタイガーの怖さってあったはずじゃないですか、ここのところの長瀬はなんか猫にも見えてきちゃって、ちょっと可愛いくらいです。 ■ギリギリボーイズはけっこう好き。長瀬の座布団運びの山崎君にも笑った。山田隆夫も本当は大喜利に出たくてしょうがないんだと思うって感じがすごく伝わってきた。偽長瀬、良々の登場シーンの隣に映っていた女性が気になった。うどんがかわいかった、膝枕とかしてあげたくなるタイプだよな。混浴シーンでは岡田君も伊東美咲も完全に逆上せていたね。でもその上気した表情がかえって色っぽかったりして。オンザロックで、人生相談しちゃってる良々にも笑った。 寄り道、寄り道 ●あのトヨタホームのCMのシチュエーションですが、あの女性はおそらく嫁ぎ先から戻ってきたという設定なんでしょうね。寺田農の「おかえり」は戻ってきちゃった娘を迎え入れる親父のそれ。そして彼女が思いっきり働いて帰ってこられる部屋を作るための同居型住宅への立て替えというのが制作プランではないでしょうか。 ●CMといえば、あのファンタの中学生妄想カメラマンは可笑しい。この物語のテイストにもあってて、思わず、劇中劇かと勘違い。また見たいな。 ●実はムーンライダーズの作品の中に「アケガラス」というタイトルの曲があります。フーちゃんが作ったもので「青空百景」に入っています。インスピレーションとしてはこの噺があるのだろうけど、ビートルズ的で鳥の鳴き声とか入っています。 ●鶴瓶さんのネイティブの大阪弁がよく聞き取れません。噺のうまさと滑舌の良さというのは正比例するわけではないんでしょうか。 ねたねた 井筒ワールドでかつあげするどん太(バッシギ見てぇー) お米券とココ壱とアンナミラーズ(好き!)と魚民 「電動歯ブラシ!」「歯を磨くんです!」 ハンガー・ハンガー・クリフハンガー マジック●ラー号(ノーコメント) さびしんぼう(わりと好き) みんなメガネ曇っている家族 エロエロ探検隊 原宿でやっちゃった逆ナンパンマン 「アニキの弟でよかった」すごかった兄弟愛 岡田君の全力疾走 ミチコロンドンの○●●ーム なんぼローン 浴衣チャンス     ■初期の官九郎作品にはなんか、得体の知れない馬鹿馬鹿しさみたいなものがあった。たとえば、フジの深夜ジョビジョバの「さるしばい」みたいなやつね。今回はそんな彼の男の子的な感性が今まで以上に見えた回だったような気がする。物語的には竜二がよりシリアスに向かう次回に期待したい。

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