トカトントン 2.1

2007/03/24(土)00:13

Metheny Mehldau / Pat Metheny & Brad Mehldau

音楽(515)

01. Unrequited 02. Ahmid-6 03. Summer Day 04. Ring of Life 05. Legend 06. Find Me in Your Dreams 07. Say the Brother's Name 08. Bachelors III 09. Annie's Bittersweet Cake 10. Make Peace ■ブラッド・マルドー(Brad Mehldau)は70年生まれの気鋭の白人ピアニストである。すごくリリカルで時々ラフマニノフを思わせる哀切なメロディを聴かせる。右手と左手がまるで別人格のように動き回るが、それを制御する頭脳も充分持ち合わせている。 ■パット・メセニー(Pat Metheny)との共演盤である。M1を聴いた印象は非常に内省的な、まるでブラームスの間奏曲のような印象を持った。この曲はマルドーの旧作であり、最も静かで深みのある演奏である。 ■音楽的対話というと、なにやら激しくバトルする雰囲気を連想しがちだが、このギター+ピアノのデュオ・ユニットは闘いというよりは融和に向かう。このピアニストのタッチの多彩さゆえ、彼がドラム・パートをもカバーした、ギタートリオのような音楽にもなっている。 ■印象としては矢野顕子の歌をフォローするメセニーの感じによく似ている。でしゃばらないが目立ってしまう。お互いを引き立て合い、リスペクトを惜しまないという姿勢。 ■ギターとピアノと言えばジム・ホールとビル・エバンスの「Undercurrent」があるが、やはりこの盤もその潮流に属する傑作だと思う。ただしより静かで、淀みない流れだ。思索系BGMという言葉があれば、そんな部類に入る一枚。 ■M4,M7はベース、ドラムが加わって、よりパワフルな曲調が表出する。特にM4のアンサンブルは躍動して華麗。実はこのカルテット・フォーマットでもう一枚その名も「Quartet」という作品もリリースされた。こちらも傑作の匂いがプンプンしている。ネットで注文したら3~5週間待ちだという。早く聴きたい。 ■秋にはこのメンバーで来日公演も予定されている。鎌倉芸術館でもやってくれるじゃないか。季節を限定するような音楽ではないが、秋の夜長にこそ聞きたい音楽でもあると思う。 PS ■ジャケットのアートワークがまた秀逸!

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