トカトントン 2.1

2009/12/29(火)21:24

今年のベストテン(映画・TVドラマ編)

映画(239)

■2008年ドラマ・映画分野のマイベストテン。テレビドラマと映画を合わせてしまうのはいかにも無理矢理だが、今年もまた、映画だけで10本選べるほど邦画も洋画も見に行っていない。きっと「ダークナイト」も「ぐるりのこと」も「おくりびと」もランクインされるに違いないのだが、いまだに見ていないことには入れようがない。またしても今年見た昨年の映画が何本か入っているが、それは個人的事情と言うことで。 第10位「未来講師めぐる」 宮藤官九郎 個人的に今年のナンバーワンCMは深田恭子の「氷結」だったりするのだが。塾の名前がコロコロ変わるところと勝地君が田口さんになってしまうあたりのバカバカしさが良い。星野君、正名さん、武田君、そして地井さんまで、まわりの役者がみんな楽しそうだった。 第9位「ダージリン急行」 ウェス・アンダーゾン 列車の中を隅々まで監督趣味に塗り尽くした装飾センスが良い。これもまた3兄弟の物語だが、「絆」の描き方がまたひと味違って面白かった。戦場のピアニストだった人がこんなコミカルな演技もできるのかって発見も。この映画のサントラは傑作だった。 第8位「There Will Be Blood」 ポール・トーマス・アンダーソン 2大アンダーソン監督が9位と8位。「ブギーナイツ」「マグノリア」路線とは一線を画すが、ラスト付近のボーリング場のシーンの緊迫感は「ブギーナイツ」の後半の印象とダブる。これも父と息子の映画でもあるが、その職業は医療関係者ではなく、石油関係の仕事だった。 第7位「松ヶ根乱射事件」 山下敦弘 こうして時間がたてば、同じ監督の作品でも「天然コケッコー」より、こっちの方が印象が強い。日本で「ファーゴ」を撮ったならこんな映画になるということか。金田一探偵が出てきそうな雰囲気さえあるが、実はそんな昭和の話なんかじゃなくて、れっきとした現代劇。しかも事件性自体も乏しいところも変だ。 第6位「アフタースクール」 内田けんじ 痛快に騙されたいということを映画に求める層がたしかに存在するのだと思う。または俺は騙されないぞと神経を集中して最初から最後まで張りつめて全てを見逃さないという意気込みを持っている人のための映画。2度3度見て伏線の張り巡らせ方にうなる。「おまえがつまらないのはおまえのせいだ」けだし名言。 第5位「転々」 三木聡 実はベストテンの中に三浦友和出演作が三作もあるのだが、今年の顔があおいちゃんだったとしたら、その男性部門は彼ということになるわけか。オダジョーと彼が東京を歩くだけの映画だが、その寄り道具合がとっても好みだった。脚本良し、音楽良し、後味しみじみ。 第4位「アヒルと鴨のコインロッカー」 中村義洋 大好きな小説の雰囲気を壊すことなく実写化した奇跡の一本。伊坂小説の映画化は今後ますます実現するだろうが、一番難易度が高いはずのこれをこんなに魅力的に見せてくれたのは監督の腕だと思う。○○役の瑛太がはまりすぎ。「ディラン?」と後ろから声をかけられたら気絶してしまいそうになる。 第3位「流星の絆」 宮藤官九郎 今になって思えば、あのドラマ内ドラマも「タイガー&ドラゴン」のドラマ内落語劇の手法と同じであったことに気づく。現代劇だったから、人気作家の原作だったから、それがすごく意表をついたように見えたのだと思う。予想を裏切り期待に応える、というのがドラマの神髄ならば充分満足できたドラマだった。 第2位「篤姫」 田渕久美子 1年間出ずっぱりだったあおいちゃんに拍手。(彼みたいに)後ろからハグしてあげても良い。ホームドラマ、それ以外は省略。という潔さが最後までテンポを崩さなかった理由。脚本家・田渕久美子にも拍手。「そちの父で、なんというか・・・愉快であった。」長塚京三のこのセリフに落涙。 第1位「風のガーデン」 倉本聰 緒形さんの悲報がなかったとしても、この順位に置いたと思う。これだけの手間ひまをかけて一本を創り上げる労力は現在のテレビドラマのスタンダードではない。しかし、それに見合った脚本・キャスト・スタッフの熱意さえあれば、こんなドラマができあがることもある。テーマのメロディが篤姫と重なると思ったらこちらも吉俣良、グッジョブでした

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