2005/09/01(木)02:10
「ショコラ」(2000年/アメリカ)
HNK・BSでやってたのを見ました。
映画バトンでは取り上げなかったけど、好きな映画です。
「ショコラ」 (2000年/アメリカ)
●監督 ラッセ・ハルストレム
●出演 ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、ジュディ・デンチ、他
敬虔なカトリック教徒たちが暮らす、フランスのとある村が舞台です。
時代背景は1960年代くらいでしょうか。
神の教えを守って禁欲的に保守的に生きる人々が住む村に、風変わりな母娘が住み着き、チョコレートの店を開きます。
しかし、甘く快楽へと導くチョコレートは村人にとっては禁断の味。
同時に村の女性たちと違って母親の派手で開放的な雰囲気は、村人たちに受け入れらず、店はなかなか繁盛しません。
それでも、彼女の作るチョコレートの不思議な力は、徐々に村人の心を溶かしていきます。
見ていてよだれが出そうな、文字通り甘く、寓話的で、ユーモラスで、幸福感漂う大人のファンタジーです。
村人ちの保守的で排他的精神と、主人公・ヴィアンヌや後半に登場するルーたち漂浪の民に代表される自由な魂との遭遇、というのがテーマでしょうか。
それを堅苦しくなく、チョコレートの甘さに包んで描かれてます。
この映画には、ヴィアンヌ役のジュリエット・ビノシュの相手役としてジョニー・デップが出てます。
きれいだけど老け顔のジュリエット・ビノシュに対して、ジョニー・デップはなんとも若々しい。
いつまでたっても年をとらないように見えるこの若さはなんだろう、とつくづく彼を眺めていたら、ちょっとわかりました。
○おでこが広い。
○目鼻口のパーツがわりと下方に寄っている。
○さほど凹凸が激しくない。
端正な顔立ちだから気づかなかったけど、結構童顔の条件を満たしているわけだ、と気づきました。
デカプリオみたいに顔幅が広くないから、今まで気付きませんでした。
ついでにジョニーデップのお話をもう1つ。
先日、BSの番組でこの映画の紹介をしてて、実はジョニー・デップはチョコレートが大嫌いらしいです。
なのに、この映画では何回かチョコレートを食べるシーンが登場します。
インタビューでも「(チョコを食べるシーンは)拷問に近かった」と言ってました。
それを知ってから、彼のチョコ食べシーンを見ると、チョコをじっくり味わっているように見えた顔が、実はチョコの甘さに耐えつつも噛みくだけなくて悶えているようにも見えなくもない。
そんな彼の最新作が「チャーリーとチョコレート工場」というのもちょっと笑えます。
この映画に代表されるように、「ある共同体によそ者が入り込み、共同体に幸福を授けていく」というストーリーパターンの映画は結構好きです。
同じ女性が主人公の映画で、他に思いつくところでは、「バグダッドカフェ」(映画バトンの項でちょっと紹介してます)なんかもそのパターン。
また日本映画では、伊丹十三監督の「スーパーの女」なんかもこれにあてはまるのでは?
つぶれかけていたスーパーマーケットに、宮本信子扮する主人公が、働き始める。
彼女は、古株従業員たちの凝り固まった思考をもみほぐしつつ、店の再建を目指す。
そして、みなに働く喜びと店の繁盛をもたらす。
ね?
やっぱり、自分もみんなも幸福、という映画は見ていて楽しいです。