ちょっと休憩

2005/09/02(金)17:44

宝塚が好きです。 PART3「ベルばら」の巻

宝塚歌劇&so on(28)

興味がない人にも語りたい「宝塚歌劇愛」と題して、第3弾は超有名なかの演目について。 (ちなみにPART1、PART2はクリックにて御覧いただけます) 宝塚歌劇「ベルサイユのばら」。 といえば、宝塚に興味のなくても、ある一定の年齢以上の人なら、知っていると思われる演目です。 フランス革命を題材に描かれた池田理代子作のマンガ「ベルサイユのばら」が原作となっています。 74年の榛名由梨主演の初演の舞台は知らないのですが、マンガの大ヒットに伴って、社会現象と言われるほどの一大ブームを巻き起こしました。 そして、テレビでも何度も放映されます。 私が幼少の頃にテレビで安奈淳がやったオスカルさま(たぶん75年頃)を見て、ストーリーはよくわかっていないながらも、子供心にも「ステキ」なんて思った記憶がございます。 そして、「愛、それは命~♪」なんて歌っていました。 それが、90年代初頭に再演されます。 何かの節目の年であったのでしょうか、それとも宝塚人気に陰りを見せたので梃入れが必要になったのでしょうか。 その辺の事情はよく知りません。 が、宝塚歌劇歴代最大のヒット作が再び上演されるのが話題になったのは、当時全く宝塚に興味のなかった私でも知ってました。 (後に涼風真世&天海佑希のオスカル編はテレビで見ました) そして、2001年にもまた再演されます。 その時もまだ私は宝塚に開眼してません。 再演されたことも知りませんでした。 なにせ、その年は出産育児に追われ、世間に疎かったのです。 そして、来年、マリ・アントワネット生誕250年だか何だかで、またまた再演が決定しました。 星組「フェルゼン編」と雪組「オスカル編」と、2公演、それぞれ宝塚と東京で上演されます。 (フェルゼン編、オスカル編、というのはマンガ「ベルばら」の別々の主要登場人物を主役にして2通りの「ベルばら」を作り上げているのです) もちろん、宝塚歌劇団が、マリ・アントワネットの生誕を祝う義理も謂れもないとは思いますが、ここは便乗商法かと思われます。 しかし、ここで問題点が生じます。 宝塚歌劇の「ベルばら」は、マンガの「ベルばら」あっての「ベルばら」なのです。 何が言いたいのかというと、「ベルばら」は、マンガを読まなければちっともおもしろくない舞台なのです。 原作のマンガは番外編も併せれば10巻にもわたる大河ロマン。 そんな長ったらしい原作をベースにした舞台となると、マンガの総集編的内容になってしまうのです。 だから、あらすじだけを追ったようなストーリー展開、そして劇的シーンだけを寄せ集めたダイジェスト版にならざるを得ない。 初演時に舞台を観に行った人々は、マンガの原作を熟読して、そして華やかなドレスがわんさか登場する劇画の具現化としての舞台を楽しんだのだと思うのです。 だから、マンガ原作を知らない人から見れば、舞台の「ベルばら」って、話の展開がポンポン飛びすぎてわけわからないし、セリフが妙に説明調だったり、そのわりにはひとつひとつのシーン(特にラブシーンと主人公たちが死ぬシーン)が冗長なまでに長かったり(以上、「ベルばら」2001年版を見ての感想)……と、「これって、おもしろい?」なんてことになる。 でも、いまさら、原作マンガがブームになるとは思えない。 よって、「ベルばら」は新しい客層を開拓するのは困難である。 つまり、「ベルばら」の再演を楽しむのは、かつて「ベルばら」にはまった人々と従来の宝塚ファンのみということになります。 そこで、宝塚歌劇団は考えます。 だったら、その限られた客に何度も来てもらえばいい、と。 (憶測の範囲を越えませんが) それが先日発表された役替わり公演。 宝塚に興味がない人には、まったくどうでもいい話なのですが、来年の公演では組の枠を越えて、他組のスターが幾人も参加して、役替わりで主要な登場人物を演じるのです。 それは、ファン垂涎の企画。 通常では、同じ舞台で共演なんてありえない組み合わせが、舞台上で見られるのです。 それを、複数の組み合わせをそれぞれ期間を設けて上演するのです。 それも、「ベルばら」というすでにコスプレの代名詞のような演目で。 どれだけすごいかは、例えば……、同じジャニーズでもありえないような組み合わせを想像してみて下さい。 同じドラマ内で、キムタクと堂本光一クンが兄弟役でやってみたり、中居クンと長瀬が恋人役をやってみたりという、今じゃそれぞれビッグネーム過ぎてありえない組み合わせが実現するとする。 それどころか、キムタク×長瀬の恋人同士、中居×堂本の兄弟という別バージョンまで、いっしょに制作して放映する、なんてことになったら、きっと同じ脚本のドラマでも見てしまうでしょう? それが、来年の「ベルばら」では起こるわけです。 恐らく、そろそろ来年早々の宝塚大劇場で上演の星組公演のチケット争奪戦が始まるでしょう。 コアなファンは、すべての組み合わせを見たいはず。 すると最低5回は見なくてはならないわけで。 東京公演では、残念ながら役替わりをしないですが、しかしその組み合わせは宝塚公演とはまた違うものになっている。 つまり全て見たければ、6回は見なくてはならない。 贔屓のスターが出れば、2回3回は普段の公演でも出張っていくファンの方々。 そうなると、人によっては、何回劇場に足を運ぶことになるんだろう??? そもそもそんなにチケットは手に入るのでしょうか。 そして、その後にすぐ雪組公演だって控えているわけで……。 私も、少なくとも東京公演のチケット争奪戦には、参加予定です。 結局、いいように踊らされるファン。 わかっていても、踊るのがファンの宿命です。

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