先月読んだ本をまとめてみました。
最近、江戸時代の浮世絵が、マイブーム。
もともと時代小説が好きなのですが、文章だけではなかなかイメージしにくい着物の柄や髪型などの装いのディテールを知りたくて、いろいろ探して読んでみました。
「絵で見る江戸の女たち」
著者:原田 伴彦,百瀬 明治,遠藤 武
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
江戸時代、版本などに描かれた市井の女性の日常。
装い、学び、育て、働く姿を、350点余の収録図版とともに振り返る。
やはり、ビジュアルで説明されると、イメージしやすくわかりやすいです。
読了日:01月02日
図説浮世絵に見る色と模様
「図説 浮世絵に見る色と模様」
近世文化研究会
江戸時代の着物の流行の変遷を浮世絵から知る、という1冊。
江戸初期の派手な模様や色合いは上方主導。
それがだんだん中期後期となるつれに、地味ながら渋く粋になっていきます。
これがいわゆる江戸好み。
そういう、その東西の違いは今も残っているなあと思う。
関西に行くと、女性の装いは派手……じゃなくて華やかですものね。
また、当時のファッション・リーダーは、歌舞伎役者。
弁慶格子、路考茶、市松模様……彼らの舞台衣装として考案した柄や色が、そのまま市井の流行となっていくさまはおもしろいです。
ちなみに、弁慶格子は、今で言うギンガムチェック。
路考茶は、モスグリーンに近い茶。
市松模様は、今もそのまま使われる言葉ですね。
読了日:01月11日
江戸のきものと衣生活
「日本ビジュアル生活史 江戸のきものと衣生活 」
著者:丸山 伸彦
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
江戸人のセンス、技術、工夫に驚嘆する。
オールカラー、収録図版300余点。
江戸のきものの発展から、生産流通、文化まで、すべてがわかる初めての本。
職業別の装いや髪型の違いなども興味深い。
また、各地の特産品である絣、また絹、麻、綿以外の素材の着物(紙とか!)とか、着物はほんとに奥深い。
江戸時代の着物は、普段着でもあるし、流行の移り変わりもあるし、かなり自由で意趣に富んでいるものだなとつくづく感心。
今は、着物そのもののが伝統文化になってしまって、決まりごとばかり。
昨今は、「モダン着物」が小ブームなったりしてますが、強力なファッションリーダーというものは不在だし、大きな潮流となることはない……かな。
読了日:01月25日
謎解き広重「江戸百」
「謎解き広重「江戸百」 」
著者:原信田 実
(集英社新書 ビジュアル版 4V)
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
広重の有名な『名所江戸百景』、略して『江戸百』。
絵葉書などで今でも大人気の、ご存知江戸浮世絵風景画のシリーズ。
だが、実はこれは、単なる名所の紹介ではなく、ある意図を巧妙に隠し入れたジャーナリスティックな連作だったのだ。
本書があぶり出すのは、安政の大地震から復興する江戸庶民の喜怒哀楽、そして安政の大獄や明治維新へとつながっていく江戸末期の社会の姿。
豊富な資料を基に新説を打ち出した、著者一世一代の作。
巻末には本邦初、制作月順の絵索引で全一二〇点を一挙掲載。
広重の「名所江戸百景」にひそかに描き込まれたコードを読み解くという1冊。
描かれた時代背景を知って眺めると、浮世絵という2次元の世界に奥行きを感じます。
テレビも雑誌もない時代、浮世絵は美術品ではなく、メディアそのものだったわけですね。
色彩・構図、ともに斬新で美しい「江戸百」、画集が欲しくなりました。
読了日:01月19日