久々の更新。
今更ですが、先月読んだ本をまとめて記録。
「ベンハムの独楽」小島 達矢
連作集といいながら、それぞれ違った趣向のストーリーが展開し、1冊でいろいろ楽める本でした。
複数の作家によるアンソロジーみたいな感じでもあるけど、これはこれで。
読了日:04月02日
「図説 浮世絵に見る江戸の旅」 佐藤 要人(編)
江戸の人は旅好き。
なんやかんや理由をつけて旅をしていたようです。
広重の描く庶民のマンガチックな顔がツボです。
読了日:04月04日
「仮想儀礼(上下)」 篠田節子
宗教をビジネスに。
生半可な知識で生半可な志で宗教に手を出して大やけどした男たちを描いた長編。
人はより強い意思を持つ者に引きずられるわけだから、狂信的信者を御せるはずもなく……。
中途半端にいい人だった正彦たちの転落していく様が痛々しい。
ラストの1行はコワい。
読了日:04月07日
「ソウル・コレクター」 著者:ジェフリー・ディーヴァー
いつもように先々が読めない怒涛の如きどんでん返し……
というのは、今回はさほどではなかったけど、データ管理される社会というテーマが興味深かったです。。
スイカもクレジットカードも図書館カードも……すべての利用状況がどこか1ヶ所でデータが管理されていたら、私の生活はほぼすべて把握されてしまうんだなと思うとコワイ。
読了日:04月09日
「メガロマニアーあるいは「覆された宝石」への旅」 著者:恩田 陸
恩田陸らしい味付けされた中南米の旅の記録。
全く不案内の地域だったので、「なるほど」と思う点も多々。
生きているうちに、私もこんな場所を旅することはあるんだろうか?
読了日:04月11日
「SOSの猿」 著者:伊坂 幸太郎
エクソシストと西遊記とひきこもりと証券取引誤発注……をユング心理学でくるんだ1冊。
小説としては、おもしろくなってきそうで、そのままなりきれずに終わった感も。
とはいえ、ところどころ考えさせられたり、ひっかかったり。
誰もが何かしら抱えている問題に、随所にヒットするようになっているのかも。
ユング心理学だし。
集合的無意識のもとで人はつながっているんだし。
狭い範囲で起きた現象を描きながらも、社会全体を俯瞰しているような作品だと思いました。
読了日:04月12日
「元気でいてよ、R2-D2。」 著者:北村 薫
すいーっと流すように読んでいて、ラストで「え?」と引き戻されるような短編集。
日常の怖い話というのは、さほど怖くないと思っても、自分もそのうち遭遇するような怖さで後々たたります。
印象深かったのは「さりさりさり」。
読後牛のように反芻してしまいます。
読了日:04月13日
「るり姉」 著者:椰月 美智子
るり姉を、彼女を愛する者たち(姪たち、姉、夫)の視点で描いた家族小説。
夫の開人のバカップルぶりがほほえましくて和む。
でも「幸せすぎて怖い」なんて言うから、うっかり深読みしすぎてしまった。
ていうか、作者の計算にまんまとはまってしまったというか。
読了日:04月14日
ということで、続きは次回。