6月20日 【ABEMA完全解説】
https://www.youtube.com/watch?v=UvugvdLFmJw
振り駒の結果、藤井叡王の先手番。
白い羽織と濃紺?の羽織のコントラストが美しいですね。
常盤ホテルの錦鯉の色彩といい。
解説:増田康弘八段
聞き手:脇田菜々子女流初段
脇田:「角換わりでお互いやりたい事をやると」
増田:「以前は(後手に)右玉にされたら先手はそこで考えたんですが
もう定跡化されましたね、指し手も早かったですし」
脇田:「今まではバランス型でしたけど、穴熊にして固さで勝負と」
増田:「一旦AIに(穴熊は)否定されたんですが、また戻っていますね」
増田:「4九角まで伊藤さんは研究で認識があったと言ってましたけど」
脇田:「58手まで想定済なのがw」
(両者20分程しか使っていなかったそうです)
脇田:「(先手)ここで5六角と」
増田:「藤井さんがどこまで認識あったのか分からないんですけど」
脇田:「ここの角は15分ほど(考慮時間)」
増田:「多分認識はあったのかも…この辺りから徐々に対応力が求められたのかなと
いう気がします」
後手の6五歩という攻めが厳しかったみたいですね。
脇田:「先手がどう攻めを繋げていくのか」
増田:「見当がつかなかったですね…と思っていたら6六銀直で」
脇田:「歩がダメなら銀で代用して、と」
増田:「(先手の)研究の深さというか」
脇田:「銀一枚ポロっと取られますからね」
増田:「普通はやらないですけど、この場合は成立する。斬新ですね」
「流石にこれを初見で指したら強すぎますね」
脇田:「(後手は)綱渡りみたいな」
増田:「この辺りは先手が快調に攻めていたという認識はあったそうなので」
「遊んでいた飛車がここまで活用できたので(先手玉は安泰)」
先手が飛車を切ったあと、感想戦では藤井さんが間違えてたかも、との事。
6五銀と打つんだった、と言ってはったみたいです。
実際は銀を温存されてました。
増田:「4六銀と打った手が色々狙いのある手で…ここはもう勝負あったのかなと」
脇田:「あとは先手が正しく指せば…」
増田:「押し切るだけかな?と見ていたんですけど、ここからの伊藤さんの粘りが」
脇田:「5三銀と」
増田:「(さらに)5二銀…伊藤さんの感覚が優れていたのかなと」
脇田:「この辺りで藤井叡王の焦りが」
増田:「(8六歩が)思ったより厳しかったと感想戦で」
脇田:「40分考えて取りましたけれども」
増田:「取るのでは誤算があった」
「普通の人はここでつぶれてしまうと思うんですけど…
粘りというかリセットするような指し方が藤井さんの強みかな、と」
増田:「追撃が伊藤さん、正確でしたね」
脇田:「1分将棋で最善を指し続けているという」
増田:「(藤井叡王に)逆転されてる認識があってダメージがある中で」
「(後手は)焦るかと思ったら6九と左」
「冷静でしたね」
脇田:「ここで6四桂と」
増田:「焦りが生まれて6四桂」
脇田:「ここも対応を(後手が)間違えてしまうと」
増田:「(桂馬を)取りたくなるんですけど、じっとこらえて8八金と
寄せにいった手が。これ出来ないですよ」
脇田:「金いっぱい渡しますからね」
増田:「1分将棋の中」
脇田:「感覚の鋭さ」
増田:「この辺りは流石だったと」
脇田:「自分を信用していないと」
増田:「3一玉がぴったりでしたね」
「ここからは、どうラッシュしても1枚足りないんですよ」
脇田:「この一局を振り返っていかがでしたでしょうか?」
増田:「そうですね序盤から藤井さんのペースで途中までは勝ちパターンに
入ったのかな?という。伊藤さんの粘りですね、それが藤井さんのミスを
誘って勝ちにつながった。なかなか見ない勝ち方をされたかと」
脇田:「名局になりましたね」
<叡王戦 第5局ハイライト>
https://abema.tv/video/episode/268-89_s1010_p9
131手目6四桂を打った後
藤井叡王が自分の足をたたく仕草、印象的でしたね。
すぐに分かってしまうところが凄いです。
最終盤は観る事が出来たので18時くらいから?拝見してましたが…
156手の大熱戦。
すごいものを観た…という感じでしたね。
八冠を獲ったのも21才の若き王者だったですが
その一角を崩したのも同じ21才の俊英という。
このお二人のタイトル戦はまだまだ続いていくんでしょうね。
<局後記者会見>
https://www.youtube.com/live/7fZcjt1wsAQ
昨年の竜王戦、棋王戦を経て三度目のタイトル挑戦だった叡王戦。
~率直な感想を~
伊藤:「まだ終わったばかりですので、あまり実感というのは沸いてこない
ところですけど、やはりタイトルというのは子供の頃から夢にみてきた
ものなので、とても嬉しく思います」
~プロ入りから(獲得は)長かったか?~
伊藤:「プロ入りから3年程でタイトル戦に出場し
自分としては出来すぎな結果と思っていたんですけど
なかなかタイトル戦では厳しい戦いが続いていたので、このタイミングで
タイトルが獲得できたのは幸運だったと思います」
~伝えたい方は?~
伊藤:「お世話になっている方は沢山いますので挙げるとキリがないのですけど
両親や師匠には感謝を伝えたいです」