相続申告の依頼が来た。話を聞いてみると 相続人は 認知症の母と 2人の子供ということだ。
死亡日は令和6年11月 認知症と聞いて 受けるかどうか躊躇したが 3年ほど前に相続を受けた方からの紹介なので とりあえず 会うことにした。
会う前に 認知症について いろいろ確認しておいた。
成年後見制度を利用しなければならない場合も想定したからだ。
面会に来たのは 50代の女性で 話し方がしっかりしていて 安心した。
父親との思いでから亡くなるまでの経過について、思いの丈を伝えてきた。
時々涙を浮かべながら 最後の別れを語ってくれた。
ただ 私の知りたいのは そこではなくて 認知症の母親のことなのだが、なかなかたどり着かない。
途中で 会話の内容を さえぎるわけもいかないので しばらく我慢することにして聞き入った。
両親の話に移ったところで 母親の病状を尋ねてみた。 軽度の認知症で 話もサインもできるとのことを聞いて、やっと相続のスタートラインに立てると安堵した。
2025年は、団塊の世代が約2,200万人を超える. 国民の4人に1人が75歳以上という、超高齢社会に突入した。
高齢者の約5人に1人が認知症という時代が訪れようとしている。
葬祭センターは ほぼ毎日セレモニーが行われています。
会計事務所にも 相続案件が 数多く来るようになりましたね。
顧問先には 相続対策はもちろんですが 事前に認知症対策も考えておかなければならない時代となりました。
今まで 贈与契約書を作成して暦年課税を選択し111万円贈与して1,000円納税していたけれど,
相続精算課税を選択することになって贈与額を110万円としたことにより贈与税申告不用となりました。
令和6年度は相続時精算課税選択届書に「私は、贈与税の申告書を提出しないため、相続時精算課税書を単独で提出します」にチェックを入れた.
ある生命保険会社が 生存給付金あり型の生存給付受取人を子供にして10回分割で受け取れるような保険を販売していた。
毎年109万円子供の口座に振り込まれていた。これまで3回継続しており,贈与税の申告はされていない。
定期贈与にならないのか問い合わせをしたところ受取人は変更が可能なので定期贈与には当たらないとのこと。
相続時精算課税選択届出書を提出することにした。
認知症の相続人については 新たな法的整備も必要となるのではないだろうか。
たとえ 成年後見人制度があっても 本当に認知症患者のためとか,他の相続人のためになっているとは思えないのだ。
なので 認知症の親には一定の預貯金だけは自動的に相続させて 不動産や株式・投資信託等については,
遺産分割協議書に認知症の親のサインがなくても、子供が相続できるように法整備ができるといいなと思っていいるのだけれど。
安西節雄