所沢支部 税理士仲間のブログ

2010/01/12(火)08:56

司馬遼太郎

感動した本・映画・音楽(134)

年末から年初に掛けて司馬遼太郎が私の頭の中を駆け回っています。 「坂の上の雲」からは明治という時代を明るく楽天主義の時代だと説いてくれました。 やっと10巻読み終えた「翔ぶが如く」では幕府を倒してはみたけれど、国のかたちを描けないでもがいていた西郷や大久保の確執が強く描かれています。 日露戦争を「明治天皇の戦争」乃木や東郷の「軍神の戦争」という歴史観が支配的だったころに、秋山兄弟や正岡子規の「国民の戦争」として描いて見せてくれました。 「坂の上の雲」には一度も御前会議の場面は出てきません。 さらに乃木将軍を無能の指揮官として描き東郷たちの薩摩人を「何かあるとすぐに大和魂を持ち出す」と言って非合理的な精神を批判しています。 司馬さんは昭和を歴史小説として書いてはくれませんでした。 大和魂を引き継ぎ大東亜戦争に突入していった非合理的精神が日本を敗戦へと導いたと思っておられたのです。 三島由紀夫が「天皇陛下万歳」と叫んで自決したことを、厳しく批判した司馬さんはその後から「街道をゆく」を書き始めました。 180度違うもう一つの日本を描いています。 「現実をあるがままに見よ」として写生主義の正岡子規を主人公の一人に選んでいます。 「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」 まさに 絵が浮かんできますね。 さてNHK「龍馬伝」ですが、最初のCGからいやな予感がしてしまいました。さらに オーケストラの音楽も 私のイメージとはかけ離れています。 配役も福山雅治さんのような、きれいな顔立ちではないのです。 ヨーロッパの国々がアジアに進出してきて植民地化する時代に、薩摩藩や長州藩がイギリスと戦争していても、他の藩がどこも助けに行かない時代を見て、 これでは日本が滅びる、統一した国家をつくらなければならないとして、動き出した坂本龍馬の奔走振りが描けてこないのです。 龍馬のように組織や肩書きに頼らない生き方に憧れています。先生と呼ばれて知ったかぶりをしていても、たかが知れているではありませんか。 「龍馬伝」は  もうしばらく ガマンして これからどのように成長していくか 見守りたいと思います。 長女千鶴役の大鳥れいさん(宝塚花組娘役トップ)の台詞がもっと多くならないかと思っています。 歌えばとてもうまい方なのに勿体ありません。 安西節雄

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