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先週、米国に在住して約15年という同級生が一時帰国したので旧交を温めました。
彼は医者として米国のとある州立大学医学部に在籍しており、助教授になっているとのことでした。 長く米国にいる彼に、米国から見た日本について聞いてみたところ、やはり日本で報道されている範囲で想像している日本観とは異なる部分が垣間見られました (あくまでも彼一個人の感想なので、米国民全体の感想を代表しているわけではありません)。 まずこのところの日本に対する米国民の見方についてですが、ここ数年間米国内のスローガンと言うかキャッチコピーと言うかの一つに 「日本のようにならないよう気をつけよう」というものがあるそうです。 これはバブル崩壊後の失われた20年で官民揃って問題を先送りにした結果いまだに経済が回復せしないでいる日本の現状を見て、 問題を先送りにせず、後手後手の対応にならないようその場その場でしっかりと対応していこうということとのことでした。 次に最近日本でも社会での格差が問題視されていることについて話題を振ると、日本では格差と言うとネガティブなものとして捉えられるのに対して、 米国では格差はポジティブなものとして捉えられるということで、ちょっとビックリしました。 米国では格差は本人の努力の差によって生じるもので、格差がない方がおかしくて、格差があって努力すれば上に登れるから人々が頑張って努力するのであり、 努力しても格差が生じないなら努力をするモチベーションが下がってしまうというのです。 もちろん米国では日本以上に様々な物事について機会均等が確保されているからなのでしょうが、 格差が生じるのは社会構造が悪いと考えてしまいがちな日本人としては理解しづらいものです。 ただ昨今の報道によると、やはり格差を社会問題として認識してウォール街でデモが行われるなど、米国人にも若干変化の兆しは見られるようですね。 これに関係して、日本では震災復興や社会保障のための各種の増税が検討されていますが、 その中の消費税率アップに対する国民感情を考慮して高所得層に対する所得税率のアップや相続税の課税強化が打ち出されているということを話してみました。 すると、米国では高所得層に対する所得税率のアップや相続税の課税強化が検討されると、高所得者ももちろん反対するのですが、 低所得者もその増税案に反対するというのです。 これこそ英語と飛行機が嫌いなドメスティック人間の私としては何のことやらさっぱり理解に苦しみますが、 前述のように米国の方々は努力してアメリカンドリームを目指しているので、 アメリカンドリームをつかんだ時に課税が強化されてしまっていると手取りが減ってしまうことになり、 これまたモチベーションが下がってしまうというのです。 一体どのくらいの割合の米国人が実際にアメリカンドリームをつかんでいるのか調べたくなってしまいますが、 とにかくいまだにアメリカンドリーム願望は健在のようです。 ところ変わればとは言いますが、やはりそれぞれの国の文化や考え方はまったく異なるものなんですね。 日本の常識が世界の非常識なのか、はたまた米国の常識が世界の非常識なのか、 大きな視点で今の世界を見渡してみるようにしておかなければと考えさせられました。 ちなみに今回は彼が国内の大学等で講演をしたりする予定がビッチリ詰まっていたため、やむなくランチで旧交を温めました。 次回はぜひ夕食で、お酒にかかわる日米間の違いについての議論もしてみたいものです。 田中 大貴 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.01.26 08:20:31
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