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カテゴリ:リフォーム
私は古いものが好きだ。我が家の本宅は築100年は超えている。屋根は先代が石州瓦に葺き替えているがそのほかはかなり傷んでいる。紺屋の白袴とはよく言ったものです。人生最後の仕上げに古民家再生をしようと計画している。屋根がしっかりしていると楽しみではある。
お寺でも古民家でも古い家では丸瓦が使われているところが多い。(岡山県の場合)100年以上経ているが、不思議と雨漏りはしていない。さすがに瓦はよれよれだが、しっかり屋根の役目をはたしている家も多い。何しろ葺き替えるとすると莫大な予算が必要となる。丸瓦の家はどっしりと大きな家が多いからだ。なぜ雨漏りが少ないかというと、屋根の構造がシンプルだからだと思う。複雑な構造で入り組んでいる構造ほど早く雨漏りがする。最近の依頼で多いのがセメント瓦の塗装工事だ。一般的にセメント瓦やガルバリウム鋼板の瓦は10年単位で塗装をする必要がある。セメント瓦をメンテナンスしないでおくとあっという間にコケや草が生える。こうなったら葺き替えるほうが良いので10年をめどに注意する必要がある。安価だからとセメント瓦を選択すると案外高くつく。 瓦はさまざまな素材があるが昔からの瓦には焼成温度が高くて丈夫なものがある。備前焼の瓦のように1300度前後で焼成すると磁器質になって水分の吸収を抑える。水分を吸収しないことが瓦の品質を保持する重要な役割だ。日本には様々な瓦の産地があってそれぞれ焼成温度が違っているので、これもチェックすると面白い。安価な瓦ほど焼成温度が低くて、30年もすると不具合が出ることも多い。瓦が水分を含むとコケの問題もそうだが、冬期の凍結で割れやすい。 屋根はシンプルな構造で屋根素材は慎重に選択するべきだと思う。雨風を凌いでくれる、つまり家を守ってくれる大切な役割をしているのが屋根だ。最近では薄くて高品質な瓦や、ソーラー一体型の屋根もある。家づくりの選択は施主である当人の権利であり、そして責任もある。 知らなかったは通用しない、大きな買い物をするのだから、あらゆる情報をもとに納得する決定をするべきだ。情報が簡単に入手できる世の中になった。あとは自分の生きざまに見合った出会いが決定する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.08.11 09:05:16
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