ビーナス・エクスプレスが金星探査を始め周回軌道にも到達♪
こんにちは。今日は、昨年11月11日と12月25日の日記でご紹介しました欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げました金星探査機「ビーナス・エクスプレス」が4月11日に金星に到着し、金星の画像が送られてきたという記事と5月7日に目標周回軌道に到達したという記事をご紹介します。まず、2005年11月9日に打ち上げられたこのビーナス・エクスプレスは、4億キロメートル離れた金星にノンストップで向かい、今年の4月11日に到着したとのことです。そして、早くも12日には誰も見たことがない金星の画像を撮影し送ってきました。この時、金星への到着を受けて、ビーナス・エクスプレスの技術者たちは、VMC(金星カメラ)とVIRTIS(紫外・可視光・近赤外分光計)を作動させたそうです。しかし、画像の解像度は低く、軌道もまだ初期で遷移中のため金星からの距離は206,452キロメートルからの撮影とのことです。下記の《金星画像1》は金星の南極を中心として、左が金星の昼側、右が夜側をそれぞれ撮影した画像だそうで、左側は、いくつかの波長の画像を合成した物で、主に金星大気の上層(表面から65キロメートル以上の高さ)の雲が反射した太陽光をとらえているということです。一方、《金星画像2》は波長1.7ミクロンの赤外線画像を疑似カラーで表示したもので、主に大気の下層(表面から55キロメートル以下の高さ)が見えるそうです。そして、「到着翌日にして、高温でダイナミックな金星の環境を実感できました。」とビーナス・エクスプレス計画の科学者 Hakan Svedhem博士は語り、今後の探査については、「これから金星に接近することで、解像度は今の100倍になり、今までにないくらい詳しく観測できることでしょう。また、渦構造もかなり速く変化を示すだろうと思います。」と期待を寄せているとのことです。ビーナス・エクスプレスには他にもいくつか観測機器が搭載されているそうで、金星を包む厚いベールを調べるために、500日近いミッションが始まっています。また、欧州宇宙機関(ESA)は5月7日、探査機ビーナス・エクスプレスが金星探査のための目標周回軌道に到達したと発表したとのことです。軌道到着を知らせる信号が、5月7日夜半オーストラリアにある地上局経由で、ドイツのダルムシュタットにあるミッション・オペレーション・センターに送信されたそうです。今後、6月初めまでに搭載機器のチェックを終えると、ビーナス・エクスプレスは金星の2自転周期間(486地球日)にわたる科学探査に入るとのことです。そして、ビーナス・エクスプレス・ミッションの目的である、金星全域の大気の状態、硫酸でできた厚い雲の構造や性質、秒速100メートルという超高速風の動態、途方もない高温・高圧下の地表の特徴、太陽風との相互関係で生ずる惑星環境、及びほとんど未探査の南極周囲などを詳細に調べるということです。金星から、探査の結果が送られてくるのが楽しみですね♪(^▽^)/ 《金星画像1》初めて撮影された南極上空の雲の渦巻VIRTISによる金星の南半球の画像(擬似カラー)「提供 : ESA/INAF-IASF, Rome, Italy, and Observatoire de Paris, France」《金星画像2》VMCによる金星の南半球の紫外線画像(擬似カラー)「提供 : ESA/MPS, Katlenburg-Lindau, Germany」金星の最終周回軌道に到達したビーナス・エクスプレス(想像画)「提供:ESA/AOES Medialab」