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江戸東京ぶらり旅

江戸東京ぶらり旅

魚三酒場

 久しぶりに門前仲町(もんぜんなかちょう)へ行きました。

 えっ,ご存じない? 東京駅からどんどん東に進むと隅田川。永代橋って有名な橋ならご存じでしょう? あ,そう,それなら知ってる。その通りですね,江戸時代に隅田川の花火を見に訪れた人の重みで崩壊した歴史のある。えっ,それは違うって。花火じゃなくって,富岡八幡さまの大祭に大勢人が訪れたからだって? なんだ,よくご存じじゃありませんか。そうそう,途中には茅場町があって,さらに日本橋川がすぐ北にあり,大川(隅田川)に注ぐ。そう,そこですよ。


 この永代橋を渡ると深川ですね。おっ,よくご存じ,あさりのぶっかけ御飯「深川丼」で有名な。あなたのご存じの富岡八幡神社もある。そうそう,この広くて交通量の多い道路が永代通りなのですが,通りに面していて,目の前が八幡さまの門前。ここに「魚三酒場」って名の飲み屋があるのよ。

P1010338魚三市場.JPG


 そりゃ,今で言う下町の人々にとっては有名な酒屋さ。えっ,何で有名かって? そりゃ行ってみれば分かるさ。だけど行けない人もいるだろうから,ちょっと説明するとな,とにかく魚や貝の刺身が新鮮で旨い。なんたって大川をちょっと渡れば魚河岸よ。えっ,魚河岸ってしらねえ? そりゃ,今の言葉で言えば魚市場のこと。そんなのあるって? そりゃあるさ。築地魚市場のことよ。だから早朝にここから競り落とした新鮮な魚をここで食えるってわけよ。

 何があるって? いやあ,つい先日,土曜日の5時30分過ぎだけどな,ちょっと立ち寄ったら,なんと席空いているじゃないか。いつもなら,行列ができて舌なめづりして待っている人が大勢いる飲み屋だけど,ラッキーという感じだったね。

 「一人ならそこに座んな」なんて,もう白髪でいっぱいの,そりゃ私からみてもお母さんみたいな年齢の店員から指示されて,椅子に腰掛けるのよ。自分で席を決めるなんて,ココではルール違反よ。それで注文したのは,まず鯛の刺身,それに暑かったからビールにした。

 いや,旨いのなんの。それで今度は「とこぶし」,小型のアワビと思えばいい。蒸したアワビと思えばいい。目を瞑って食べればアワビと遜色なし。それで次はヒラメ,そしてホウボウの刺身を頼んでしまった。もちろんビールはなくなって,冷酒ときた。これが魚三の特製なのか,よく冷えていて適度に甘みがあって,すいすいいけちゃうんだ。

 隣で会話を楽しんでいる人々ともそのうち意気投合,デカルト,カントの話から自分のお墓の話まで高尚な話を楽しんで,これぞ下町情緒といった雰囲気の飲み屋。わいわいがやがや,でも下品ではなく,それぞれが自分を保ち,刺身はもちろん,焼き魚,天麩羅,お新香,塩辛と飲み助には嬉しい豊富なメニュー。

 それで,値段だって? そりゃ,新鮮で旨い魚を食って,それで安上がりになんて,そんなばかな。旨いものは高いにきまっている。と,思いきや,それがね,私がその日いただいたもの全部で,何と2500円なり。ここなら,週1回の割合で来て,十分飲んで会話して,一ヶ月たった1万円よ。

 その店って,どこにあるって? だから門前仲町だって言ってるだろ。地下鉄東西線でも大江戸線でも行けるから,金がなくても,暇があれば行ってみればいいじゃないか。もちろん一人でよ。きっと飲み仲間ができるぜ。

 ひよっとしたら,隣に座っているのが私かもよ。じゃ,魚三でな。あばよ。


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