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江戸東京ぶらり旅

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同心と岡っ引き

「岡っ引き」のこと


 「お上のご用を聞いて動く」ので「岡っ引き」と言いますが,銭形平次や半七に向かって「岡っ引き」なんていうと,叱られてしまいますよ。「岡目八目」とか「岡惚れ」の「岡」は横からしゃしゃり出る,という意味ですから,岡っ引きはちょっとさげすんだ,相手に向かって言ってはいけない表現なのです。ご自身は「御用聞き」と名乗っていましたからね。それじゃ,米屋や酒屋の「御用聞き」と区別できないじゃん,と思うでしょうが,こちらの本当の呼び方は「注文取り」とか「勝手伺い」と呼ばれていましたから,どうぞご安心を。


 御用聞きは「目明かし」とも呼ばれるのですが,「同心」(現代の警察官に相当するでしょうね)の配下,使用人。同心が自分の給料で雇っていた,非公務員だったのですね。御用聞きの仕事は主に密告する(差口)こと。だから犯罪者のが入っている牢の中に犯罪仲間を密告する者がいると,同心も大助かり。この密告者が同心に認められて御用聞きになることもあったのです。だから,こんな仕事をする人たちを政府が堂々と雇えるわけがないのですね。飽くまでも非公務員。

●江戸情緒,藤沢周平の作品あります●
      


 同心は自分のポケットマネーで御用聞き(岡っ引き,目明かし)を雇い,「この者は私が雇っている使用人でございます」というような「手札」,すなわち身分証明書を渡します。この御用聞きにはたくさんの子分がいて,だから御用聞きは彼らから「親分」と呼ばれていましたね。やくざの親分みたいですね。目的は同心の犯罪捜査の役に立つということですから,スリ専門,賭博専門,詐欺専門,泥棒専門・・・などの専門家を手下に持つことが,同心が成果をあげる近道。当然これらの専門家は,スリや賭博を実際に何度もやったことのあるプロ。彼らの経験から学べば,同心はお手柄間違いなし。昇進も夢ではない。

 では,庶民が群衆の中から,あの人が御用聞きか,と見分けるにはどうするか。服装は着流しに白い鼻緒の雪駄,裏白の紺足袋。犯罪人を捕まえるために変装して捜査を行う場合も,白い鼻緒は欠かせない。同心が,あいつは御用聞きだ,とすぐ区別できるようにしたのですね。でも区別できるというのは,敵にとっても区別できる目印,逆手をとられて,人混みで犯罪人に仕返しをくらうこともありますね。

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