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江戸東京ぶらり旅

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お正月

お節料理の食材の云われ


 お正月に食べるお節料理の一つ一つには意味がありあます。どんな意味合いがあるのか,分かって食べるとまた楽しいですよ。

      




<黒豆> 黒は道教では邪除けの色,道教なんてなんのこっちゃと思いますが,「まめに暮らす」という意味もあります。上手く煮るにはコツがありますね。急に冷ましたり,砂糖が多すぎたりすると表面がシワシワになってしまいますよ。

<数の子> ニシンは春の使者,ニシンは「かど」とも言われるから「かどの子」,これがなまって「数の子」になったのですよ。ニシンは妊娠につながり,数が多いのは子孫繁栄で縁起が良い,という意味。表面の薄い皮を日本酒に浸して,丁寧に取り去る。こうしないと臭みが残るのですよ。

<五万米(ごまめ)> カタクチイワシを生で干し,これを炒って甘辛く煮詰めたものですね。天皇家が財政窮乏のときに食卓に飾ったから貴重な食べ物,また,ごまめを田植えのときに肥料に使ったら米が五万俵も収穫できたというので「五万米」と書くようになったそうですね。豊年満作を祈る意味がある。「まめで達者で」という意味も含まれる。

<敲(たたき)き牛蒡(ごぼう)> 黒豆と同様に,黒を聖なる色とするのです。

<金団(きんとん)> 栗の色は黄色で金,丸い固まりだから団。これで金団(きんとん),丸い小判を意味していて,お金が貯まることを願ったものですね。たくさん食べると,たくさんお金が貯まるという決まりはないようです。 

<蒲鉾> 板付きの蒲鉾を使うが,これは形が日の出に似ているから,初日の出のことですね。めでたい,めでたいというわけです。赤は魔よけ,白は清浄を意味する。

<伊達巻> 長崎のカステラ蒲鉾が格好良かった,伊達とは粋なことですね。あの仙台藩の伊達政宗から来ていますね。巻くことは「結ぶ」こと,つまり「むつむ」こと。仲むつまじくということ。「巻き物」は書物をあらわすので,文化の発展を表す。これを食べても頭は良くならない,一生懸命勉強しないといけませんね。

<八つ頭> 里芋の中心部分のことですね。結構大きいものですよ。表面がでこぼこしているので八方に頭があるように見える。それで何事も人の上に立つ頭になるようにと願いを込めて食べるのですね。

<蓮根> 中に穴がたくさん開いていますね。それでその穴を通じて将来の見通しがきくようにと縁起をかついだ。しゃきしゃきして美味しいですね。小さい子は穴から覗いたりしていませんか。

<鮑(あわび)> 鮑の肉を薄く切って長く引き伸ばすと熨斗(のし)鮑,永続を意味します。熨斗紙も同じく,おつきあい,おめでたいことが長く続くようにと願いを込めて。そんなことより,高級なアワビ,新鮮なものは死後硬直でコリコリと歯ごたえがあって,ほのかに昆布かわかめのような磯の香りがありますね。

<昆布巻> 「よろこぶ」に通じる。巻くは伊達巻と同じ。昆布は蝦夷(北海道)でとれるので夷子布(えびすめ)とも言う。七福神の恵比須にかけて福が来るようにと願うのです。鮑やウニが昆布に穴を開けると,それだけで価値が下がります。昆布養殖をしている人には天敵ですよ。

<慈姑(くわい)> 毎年芽が出るようにとの期待を込めて。ちょっと苦みがあって,あまり美味いものではありませんが,これも好み。

<柚子(ゆず)> 黄色は魔除け,中国では最も尊ばれた色です。核がそろって生長するので,作物が柚子のように一斉に実って欲しいとの希望を込めたのです。

<鯛> 福の神,恵比須さんが釣る魚で「めでたい」に通じる。鯛は長寿,「にらみだい」と言って,にらむだけで箸をつけない風習もあります。天然の鯛は鼻の穴が二対,大きな穴が一対のは養殖物ですからね。見分けは簡単です。

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