江戸東京ぶらり旅

無縁坂＜池之端＞

無縁坂を歩く

　母がまだ若い頃　僕の手をひいて
この坂を登る度　いつもため息をついた
　・・・・
　運がいいとか　悪いとか
　人々は時々口にするけれど
めぐる暦は季節の中で
　漂い乍ら過ぎてゆく

忍ぶ　不忍　無縁坂　かみしめる様な
ささやかな　僕の母の人生

　おなじみ，さだまさしの無縁坂でございます。
　この無縁坂とは・・・


　地下鉄の湯島駅で降りましょう。ＪＲ上野駅から歩いても湯島駅までは少しの距離。ここで，はすの花が綺麗な不忍池の，その西岸を南北に走る「不忍通り」を，北に向かって歩きます。右側には不忍池が見えますよ。東京都の史跡旧岩崎邸庭園（邸宅も見ごたえあり）は通りの左側の裏手にありますが，ここはパスして，さらに池之端文化センターを過ぎたその裏手，東京大学医学部付属病院へ通じる坂が「無縁坂」です。近くに称仰院（現在は講安寺）という無縁寺（遊女とか犯罪人とかの，身寄りのない人たちの墓があったお寺ですね）があったため，この坂が「無縁坂」と呼ばれたらしいのですね。

　　　　　　　　　


　不忍池の北，上野公園側には森鴎外の旧居跡（鴎外荘）がありますが，鴎外も「雁」の中でこの坂に触れています。坂下から坂を見上げたとき，左手は三菱財閥の岩崎弥太郎の邸宅跡ですね。一般公開されていますから是非どうぞ。