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江戸東京ぶらり旅

江戸東京ぶらり旅

世田谷<等々力・九品仏>

等々力と九品仏<なんて読むの?>


駅名キーホルダー等々力(東急大井町線)   駅名キーホルダー九品仏(東急大井町線)   多摩川を歩く


 東京にも渓谷の残る地があったんだ,という感じの所です。「等々力」は「とどろき」読みます。東横線の自由が丘駅で乗り換え,東急大井町線の等々力駅か上野毛駅で降りるといいでしょう。上野毛駅で降りたなら五島美術館に寄り道という手もあるのです。この夏は改装中でお休みですがね。

等々力の地名の由来は,渓谷の水の音が「とどろく」ところからきたのですね。この渓谷は,世田谷の用賀からスタートする谷矢川が侵食してできた長さ1kmほどの渓谷。ケヤキやコナラなどの落葉樹やシラカシなどの常緑樹で覆われていて,暑い夏でも涼しさを感じられる絶好の場所。遠くまで避暑にいかなくてもいいのです。途中に小さな滝やお寺もあって時間を有効利用するにもいいですね。

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 渓谷の近くには野毛公園内に野毛大塚古墳という古墳があります。ホタテ貝の形をした古墳が公園にど~んとそびえていますよ。また渓谷内には等々力3号横穴古墳というのもあります。入口はガラス張りになっていて,死者を祭った様子を説明したものも立っています。8世紀前半のものと推定されています。このあたり,多摩川も近くて古代人にとっては住み心地の良い場所だったのでしょうか。

 等々力通りを自由が丘方面へ歩くと,九品仏駅です。「九品仏」は,「くほんぶつ」と読みます。この駅名は,近くにある浄信寺にある九品仏からきています。お寺は,戦国時代世田谷を支配していた大平出羽守さんが奥沢城の館跡に建てられています。世田谷区に奥沢という地名は今でもありますね。

 では,そもそも九品とは何なのでしょう。仏教(浄土宗)の世界のことなので,とらえかたが微妙に違っていることもあるでしょうが,ご勘弁。浄土(悪や汚れのない仏さんのいる世界ですね),ここには9種類の,だから九品という段階・ランクがあって,みなさんが死後どの段階に行けるかは,みなさんが生きている間にどれだけ信仰厚く,善行を為したか,その度合いにより,同じ極楽でも行ける場所が決まるという考えかたです。できるだけ善いことをたくさんすると,より良い段階の極楽にいけますよ,ということ。九品の段階は,大きく「上品」(じょうぼん)・「中品」・「下品」と分けられ,それぞれがまた3分類されているので,3×3=9段階(9品)となります。あなたは極楽浄土の中のどのランクに行きたいですか?上の上,上の中,上の下・・・下の下。私は極楽に行けたとしても「下の下」でしょうね。

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 それで,このお寺を開山した高僧,彫刻の腕が抜群。九体の阿弥陀如来像を造って,三つある御堂にそれぞれ三体ずつ安置したというわけ。それで「九品仏」。本堂に向かい合うように配置されている御堂は,「上品堂」,「中品堂」,「下品堂」。どの御堂からお参りしましょうか? 迷ってしまいますね。迷う程度だから駄目なんだ! と声が聞こえてきそうですが。

 自由が丘はここから歩いて15分程度でしょうか。もともと自由が丘学園のあった場所。教育の街なのですね,本当は。東横線の隣駅は都立大学,学芸大学。今は大学は移転してありませんが,駅名はそのまま。


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