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江戸東京ぶらり旅

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須加神社<四谷>

四谷の須賀神社と隅田川の言問橋


 四谷のお岩稲荷(田宮稲荷:あの四谷怪談のお岩さんですよ)と愛染院を結ぶ線の中間に須賀神社があります。ここで毎年6月に行われる御祭礼は,かつては四谷の「天王祭り」といわれたそうで,江戸の五大祭りの一つとして有名だったようです。この神社の左手奥には三十六歌仙絵の複製が展示されています。

須賀神社2.JPG


 三十六歌仙とは平安時代中期の公卿藤原公任(ふじわらのきんとう)さんが過去及び同時代の優れた歌人36人を選んだもの。万葉歌人からは柿本人麿,山部赤人,大伴家持の3名,その他「古今集」などの歌人からは紀貴之,在原業平,小野小町ら33名が選ばれています。合計で36人になりますね。この神社の三十六歌仙絵は,新宿区指定有形文化財にもなっていて,三十六歌仙を一人一枚の絵にしたもの,縦55cm,横37cmの絹地に彩色したもので,社殿内に掲げられています。

三十六歌仙2.JPG


 この中の在原業平さん,「伊勢物語」の主人公と考えられていますが,隅田川を渡るときに都では見たこともない鳥を見て,船頭に尋ねたのですね。すると「この鳥は都鳥というのでうよ」,これを聞いた業平さん・・・,

 名にし負はばいざこととはむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと

<現代語訳では>
 あなたの名前が本当に都鳥というのなら,是非教えて下さいよ。私が心に留めている人(女)が元気かどうか。

 東大農学部と工学部の間の道路は,東へ進むと谷中霊園と寛永寺の間を通り,さらに浅草寺の北を通って,やがて隅田川を渡ります。ここに架かっている橋が「言問橋」,川の東側は向島です。橋を渡り,さらに東へ進むとY字路。右に進むと東武伊勢崎線の「業平橋」駅,その先に「業平橋」があります。すべて伊勢物語にちなむ名前ですね。

 言問橋の北にある橋は「桜橋」,一般車両は通れませんのでのんびりと隅田川を眺めながら散歩できる橋です。橋のたもとには長命寺があって「長命寺桜餅」や「言問団子」は特に有名です。散歩のついでに一休み,いいですよ。


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