込み入った仕事があって,ここ10日ほどパソコンに向かう時間が極端に制限された。
さきほどようやく仕事に目途がついて,今ほっとしているところだ。
それで,今日は「ウィーンの街角で」がテーマである。
ウィーンの,王宮のあるあたりや国立オペラ座の位置する通りでは,下の写真にある光景を目にする。かつての音楽家や宮廷の人たちなどが催し物があるときに身につけていた格好,出で立ちで,夜に行われるコンサートのチケットを販売している人があちこちにいるのです。
そうです。オーストリアはモーツアルトで有名。ザルツブルグが彼の故郷ですが,ウィーンにもモーツアルトが住んでいた住宅(アパートメント)が有料ですが,一般公開さてれいます。ほとんど見るべきものはないのですが,その雰囲気だけは味わえるようになっています。
それで,ウィーンでは王宮や教会などを会場に,モーツアルトの曲を中心にした演奏会が頻繁に催されているのです。たかだか2500円から3000円といった程度ですから,実に安いというべきであろう。これで彼の有名な曲を十分に堪能できるわけである。
そして曲目だが,アイネ・クライネ・ナハト・ムジークなど,殆どが誰にも馴染みのある曲ばかり。だから,「あっ,これ聞いたことある」と,音楽には疎い人であっても楽しめるようになっている。つい
<知らない曲だな。退屈だな>
と秘かに感じ,居眠り・・・などということもない。8時に始まり,10時までの2時間,たっぷりと楽しめるのである。
それに演奏している人たち,指揮者・・・日本だったら
<気取ってるな。すこしは愛想を良くしたらどうなのだろう>
と文句も言いたくなるのだが,ここはさすが本場。皆さん楽しそうに,そして観客をどうしたら楽しませることができるかをしっかり考えている。だからついつい演奏に引き込まれてしまう。一見気取っているように見せかけて,途中でおどけて見せ,
<お,なかなか面白い指揮者じゃないか。さすが芸人>
と思わせる。このタイミングが実に上手い。身構えて聞いている観客に
<もうちょっとリラックスしていいのよ>
とでも言うように,渋い顔をしながら,おどけて見せる。これがなかなか受けるのである。
私は,
<こんな道ばたでチケットを売るくらいだから,お客も少ないのでは>
と秘かに思い,しかし「モールアルトのCDもおつけしますから」と言われて,ついついチケットを買って,腹ごしらえをしたあと王宮に向かったのだが,会場につくとこれが広い,広い。そしてなんと予想に反して大勢のお客が開演を待っているではないか。
<これはあなどれないな>
と思いましたね。1000人近くお客はいたでしょうか。日本人もちらほらいたのですが,多くはそれ以外の外国人。チケットが安いからといって手を抜くわけではない。実に演奏は素晴らしい。そして楽しい。ひょっとしたら寝てしまうかも,などという心配もすっかり吹っ飛んで,演奏に聴き入ったのでした。
演奏会が終わって,ウィーンを暗闇が覆う中を,モーツアルトを口ずさみながら,ホテルに戻ったのでした。満足の2時間でした。