精神世界の鉄人

2013/01/18(金)03:13

白の暴力

現在の地球上には、二種類の暴力があるそうです。 「黒の暴力」と「白の暴力」だそうです。 このうちの「黒の暴力」というのは、一般的な意味の暴力です。 例えば、暴力団や闇金融、不良少年、暴走族、盗賊、泥棒、ギャングなどの集団が、一般の善良だと言われている人たちに対して行う暴力です。 いやがらせ、恐喝、リンチ、暴行などです。 この「黒の暴力」は、わりとわかりやすく、理解がしやすいため、適切な対処が、たくさん考えられています。 対抗策もたくさんあり、組織も、警察、弁護士、裁判所、自警団など、すでにたくさんあります。 この暴力の特徴は、 「罪を犯している本人に、罪の意識がある」 ということです。 つまり、行為を犯している当事者に、 「自分は、悪いことをやっている」 という意識があることです。 一方、「白の暴力」は、現在、水面下で、問題になっている暴力です。 例えば、宗教団体、狂信的な思想集団などが、一般の人たちに、無理強いする布教活動、洗脳、思想の押し付け、マインドコントロールなどです。 大変にわかりにくく、微妙で、なかなか判断も理解も、しにくいため、あまり社会の表面に、登ってきにくいものです。 これに対抗するような組織は、ほとんどありません。 この暴力の特徴は、 「罪を犯している本人に、罪の意識がない」 ということです。 つまり、行為を犯している当事者は、 「自分は、悪いことはやっていない」 という意識で、動いているということです。 わかりやすい例を、挙げましょう。 例えば、経験した人も、多いと思いますが、昔、アパートで一人くらしをしていた頃、よく経験したのですが、アパートには、よく、新聞の勧誘などが来ました。 やくざのような勧誘員も来て、しばしば喧嘩になったりしました。 しかし、このやくざのような勧誘員たちは、よく観察すると、けっこう純粋なところがあったり、必死になって、売り込みしている様子も感じられ、ちょっと気の毒になったり、逆に可哀想に思ったり、最後には、仲直りしたり、いろいろ人間くさいドラマも生まれ、現在では、楽しい思い出として、心に残っています。 やっかいだったのは、宗教団体の勧誘です。 彼らは、 「自分たちは、絶対正しいことをやっている」 という信念をもっているので、こちらが、どんなに断っても、 「あなたは、まだ気がついていない。目覚めていない。私たちが、目覚めさせてあげよう」 という姿勢で来るので、話がやっかいなのです。 宗教や宗教団体自体は、特に悪いとは、思っていません。 自分も、いままでに、いろいろ経験したので、その素晴らしさやメリットも、十分わかっています。 ただ、この強引な勧誘、または、巧妙な誘いには、よくウンザリさせられました。 現在では、これが、もっと複雑で、微妙、細かくなり、この「白の暴力」の問題は、わかりにくなっています。 「黒の暴力」のほうは、このまま、ほっておいても、時間とともに、いい方向に行きそうな気がしますが、「白の暴力」のほうは、これから、ますます難しくなってくるでしょう。 アメリカに住んでいた頃、ある男性と、ルームメイトのような感じで、一時、一緒に住んだことがあります。 この人は、いわゆる、「潔癖症」でした。 病的に清潔好きなのです。 外出から帰ってくるなり、すぐに、家の中をチェックして、汚れていると、 「トーマ君、また、ここが汚れているよ! まったく、君は、どうして、こんなにダラしないんだ。君は、子供頃、お母さんから、掃除の仕方も習わなかったのか? いいかげんにしてくれよ!」 いきなり怒鳴りつけたり、ネチネチと文句を、言ってきたりするのです。 こちらは、 「このぐらいの汚れで、怒ることもないだろう…?」 と思うほどの汚れなのですが、彼は、この汚れが許せないようで、30分くらいかけて、いろいろな薬品を使って、拭き掃除していました。 掃除以外にも、買い物やテレビの見方、本の読み方、食事のマナーなども、大変細かく、いちいち、注意されたり、文句を、言われたりしていました。 そのうち、会うと疲れるので、次第に、時間をズラし、なるべく家では、彼と顔を、合わせないようにしていました。 彼のその当時の口癖が、 「俺は、間違ったことは、言っていないぞー!」 でした。 確かに、間違ったことは、言っていないのです。 彼の言っていることは、全部正しく、非の打ち所が、全くないのです。 でも、だから、最悪なのです。 正しいために、 「自分が、悪かった」 「自分は、間違っていた」 という考えにならないのです。 結果として、反省することが全くなく、いつまでも、 「悪いのは、相手だ」 「相手が、馬鹿で間違っていた」 という結論で、終わっているのです。 彼は、私以外の人間ともトラブルが多く、何かのミーティングなどで、誰かが、5分遅刻しただけで、皆の前で、その遅れてきた人を、怒鳴りつけたりして、たくさんの人から、嫌われていました。 とにかく、四六時中、人とトラブルばかり起こし、そのたびに、 「俺の周りにいる連中は、皆、馬鹿ばっかりだー!」 と周囲の人たちのせいにするのです。 「白の暴力」の典型的なパターンです。   「精神世界」という分野は、このパターンに大変なりやすい傾向があります。 この分野は、定義がしにくい言葉も多く、体験や理解度に、個人差も大きく、結論も、でにくいものばかりだからです。 「正しさ」を判断基準に置くと、この「白の暴力」になりやすいです。 昔、ある地方で、個人セッションをやった時、女性のクライアントで、夫婦関係で苦しんでいる方が、来ました。 長年、主婦として、家族のために、一生懸命尽くしてきたことが、話を、聴いていて、すぐに、わかりました。 でも、彼女の旦那さんが、人格に問題があり、暴力もふるわれ、大変な年月を、過ごしてきたようでした。 しかし、彼女は、ある宗教団体に、入信していて、そこの団体の偉い人に、その夫婦関係を、相談したら、 「あなたは、感謝が足りないのです。それは、神様からの試練です。そういう夫にも、感謝することが、霊性を向上させることに、必要なのです。殴られても、ありがとうございますと言えるような人間になりなさい」 と、ずっと言われ続けてきたようでした。 キネシオロジーを使って、調べてみました。 ためしに、旦那さんに、向かって、 「ありがとう!」 と言っているのをイメージすると、身体中から、パワーが抜けるのが、わかりました。 逆に、旦那さんに向かって、 「ばかやろう!」 と言っているのをイメージすると、身体中に、パワーが、みなぎってくるのが、わかりました。 この検査では、このクライアントは、旦那さんを、馬鹿にしたほうが、いいということだと、判断しました。 「旦那さんに、感謝など、やらなくてもいいですよ。そんな酷い旦那は、馬鹿にしてもいいと、魂が言っていますよ」 私が、彼女にこう言うと、ボロボロ涙を、流した後、 「ありがとうございます。ようやく気持ちが、楽になりました。ずーっと、長年、この思いに縛られてきた自分が、今、鎖から、解放されたようです。本当に、ありがとうございます」 と言われました。 話を聴いていて、こちらまで、目が、ウルウルしてしまいました。 「ありがとう」 という言葉自体は、とっても素晴らしいものです。 「感謝」も、たいへんに素晴らしいものです。 「許す」という行為も、もちろん、大事なことです。 しかし、人間のやる行為は、どれでも、ケースバイケースです。 人や状況が違えば、当てはまらないケースなど、いくらでもあるのです。 このクライアントの彼女の場合、 「感謝しなくてはいけない」 という「正しい教え」に、ずっと縛られてきていたのです。   「真理」、「宇宙の法則」、「高次元の意識」、宗教や精神世界で、「正しい」と言われているものが、逆に、人間を傷つけ、苦しめていることなど、このように、たくさんあるのです。 「正しければいい」 というものではないのです。 「白の暴力」には、他にも、判断のつきにくい、複雑なケースが、たくさんあります。 例えば、親が子供をしつける場合や、会社で上司が部下をしかる場合、よく、加害者のほうが、 「あなたのためを思って、やっているのです。これも、愛情なのです」 という台詞を、言います。 これも、本当に愛情からやっている場合、ただ、ストレス解消、八つ当たり、単なるいじめ場合が、あります。 実際には、簡単に、二つに分けられるものは少なく、これらの感情が、複雑に絡んでいるため、加害者も被害者も、そして、周囲の人たちも、判断ができず、全員が、どうしていいかわからないケースばかりなのです。 精神世界では、これからは、特にこの「白の暴力」に、気をつけなくてはいけません。 地球が混乱している原因の多くも、この「白の暴力」です。 宗教戦争のすべても、これです。 「自分は、正しい。他の人たちが、間違っている。自分が、本当の神と繋がっていて、他の人たちは、間違った神と繋がっている」 というものです。 他にも、 「肉を、食べるのは、よくない」 「朝は、早起きして、規則正しい生活を、しなくてはいけない」 「タバコやアルコールは、身体によくない」 「人の悪口や蔭口は、絶対に言ってはいけない」 などなど、世の中には、「白の暴力」に、すぐに変わってしまう危険性のある「正しい教え」が、山ほどあります。 「どれが、本物か?」 などというのは、大変に難しい問題なのです。 簡単に、言えないのです。 「正しさ」を、基準にするというのは、とっても危うく、危険性をもっているのです。 戦争というのは、 「正義」と「悪」 が戦っているわけでは、ありません。 「正義」と「もう一つの正義」 が戦っているのです。 代替案としては、「正しい」ではなく、「楽しい」を基準にとったほうが、いいような気がします。 「正しい」ことが、「楽しい」とは、限りませんが、「楽しい」ことは、 「今の瞬間の自分には、正しい」 からです。(笑) 「白の暴力」に、お互いに気をつけましょう。 つねに、 「自分は、間違っているかもしれない。自分は、一番ではないかもしれない」 という謙虚な問いかけは、大切だと思います。 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ トーマ toma_atlas@yahoo.co.jp ☆日記(エッセイ)の過去の全バックナンバーです。 http://www.tomaatlas.com/library00.htm ☆「精神世界の鉄人」のメルマガも、発行しています。 http://www.melma.com/backnumber_38906/ ☆キネシオロジーの個人セッションです。 http://www.tomaatlas.com/soul.htm ☆MIXI内にも、「精神世界の鉄人」のコミュを、作成しました。 http://mixi.jp/view_community.pl?id=4663380 ☆精神世界の面白いサイトが、たくさんあります。 ↓ http://airw.net/newage/rank.cgi?id=atlas ☆「光のネットワーク(リンク集)」です。 http://www.tomaatlas.com/linksnew.htm ☆私のメインサントです。 ↓ http://www.tomaatlas.com/

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