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カテゴリ:映画雑文
桃子(ガッキー)は本当の恋愛よりも小説の中の恋愛が好き!という文学少女だったが、ある日野球部員の弾丸ライナーが顔面を直撃、介抱してくれたエースの大嶋くんに一目ぼれ。
画して三次元の恋愛に足を踏み入れるガッキーだったが、野球部のマネージャーは定員オーバー、チアリーディング部は本格的過ぎて入れず、仕方なく部員が一人しかいない応援団へ。 廃部寸前の団に口の上手さでなんとか最低限の人数を団に確保させたガッキーは功績を認められ応援団長に。さっそく翌日の甲子園常連高との練習試合に挑むが、あまりにもド素人の応援に足を引っ張られた野球部は惜敗。挙句憧れの大嶋くんはライバル高へ転校!団に居る意味すら失ったガッキー。団は崩壊寸前。 しかしボロボロの応援団に元団長の内藤剛志らOBがやってきて応援団を合宿で立て直すことに。とはいえ所詮やる気ゼロの素人集団なので合宿以前の問題。ついにガッキーが逃亡を図った。 ガッキーはトンズラしようとした途中で大嶋の転校先合宿所があることを知り、お守りをプレゼントしにいこうとするが大嶋はガッキーのことを完全に忘れて、しかもマネージャーといちゃついていた!! ※「許さない・・・私を振った男を許さない・・・!」 と『シャッター』の奥菜恵のような恨み節で団に戻ったガッキー以下素人集団はなんとか一つにまとまり、団は生まれ変わった!(※すみません。この辺は私がつけくわえました) エースを失った野球部も気合と根性で決勝戦へ。いよいよ大嶋の居るライバル高との試合が始まった! という王道ビルドゥングロマンなんですが、説得力のない物語と考えることを放棄したような脚本で珍映画になってます。 ボロボロの応援団にOBの内藤らが合宿するぞ!と無理やり団員を連れ出すんですが、この人ら仕事ほっぽりだして後輩につきあってるからよっぽど応援団に愛情のある人なんだな、と思ってたらなんと内藤は会社が倒産して「することないんだ」って。単にヒマだっただけかい!他のOBが「お前こんなことしてる場合じゃないだろ、仕事探せよ」というんだがその通りだよ! 思えば内藤は団員に 「なんでこんな苦しい思いして応援しなきゃいけないんですか?」 と聞かれ 「そんなことは自分で考えろ!」 と説得力のないこと言う理由もそりゃ無職だから行動に説得力がないわけだ。後輩も無職の先輩に説教されたくないよ! 団員が最低人数の5人だけってのも安上がりすぎない?(しかも全国トップレベルだというライバル高も五人しかいない)『スウィングガールズ』とか大人数のビッグバンドだから面白いのに、応援団なんてそれこそ100人クラスでエール切って初めて盛り上がるというのに・・・ 生まれ変わったガッキーが大声上げてエールを切るんだけど、女の子なのでただの甲高い声です。 この映画では弱小野球部を応援の力で無理やり勝たせるような展開なんだけど、これ、本当の運動部や応援団が見て、誰も納得しないよ。 しまいにゃ「大地の力をみんなに!」「天の力を送るんだ!」とかいって変なポーズ取ったら相手がエラーしたり、味方がヒット打ったりすんの。スピリチュアル野球かい! 敗色濃厚の展開に団員が 「俺は今から気合を見せる!」 だから野球部も気合を見せろっていうんだけどこんな押し付けがましい応援、阪神タイガースの私設応援団でもしないと思う。しかもその気合ってのがバケツの水を浴びるんだよ。設定は夏だからむしろ涼しいと思う。どこが気合じゃ! そもそも根本の問題として高校野球じゃどんな理由でも転校したら一年間、対外試合出られませんから。 舞台が栃木県なので地元フィルムコミッションが協力するご当地映画かと思いきや、撮影はさいたまでやってます(意味ねーよ!) 製作側は本気でこの映画がまともなものになると思って作ってたのかと。いや、本気でしょう!だってガッキーが出ている三ツ屋サイダーとタイアップして、テレビ朝日も巻き込んで公式サイトにゃゆかりのあるスポーツ選手のメッセージが大量にあるんだもん。 「北京五輪も応援をテーマにお伝えしましたが、この作品と出会って、より本気で応援したくなりました」(松岡修三) 映画作ったやつ、もっと本気になれよ! 「人の想いが一つになれば奇跡は起こる。爽やかな映画でした☆」(浜口京子) この映画の奇跡は全部スピリチュアルなのか。 この映画は赤の他人よりも、主演してしまったガッキーを応援した方がいいんじゃないかと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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