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放射線治療

手術後の放射線治療


放射線治療は、がんとその周辺のみを治療する局所治療です。
がん細胞に外から高エネルギーのX線をあてて、増殖を抑えたり、死滅させたりする事が目的です。

放射線をうける対象は、乳房温存手術後の照射、領域リンパ節への予防照射(リンパ転移が多かった場合)、再発治療による照射があります。
*妊娠している場合や照射量が一定量を超えた場合、そして患者が希望しない場合は照射は行えません。


<手術後の放射線療法>
乳房温存手術した場合は、残した乳房内に微小ながん細胞が散在している可能性があるので、放射線をあて局所再発予防を予防します。
放射線を照射することで、局所再発を20~40%から5~10%まで低下させることができます。
乳房の全摘手術でも、リンパ節転移が多い場合には、放射線治療が行われることがあります。胸壁への再発を減らし、領域のリンパ節転移、遠隔転移を抑える目的で、胸壁、鎖骨上窩などに照射されることがあります。


<治療の流れ>
診察放射線科のドクターによる診察があります。
病理結果、検査結果などを元に治療計画が決められます。
手術して切除断が陽性の場合と陰性の場合では、異なる照射量を提示される。
 ・一般的に、手術した乳房全体に、1回2Gy(グレイ=放射線単位)を25回照射します。(計50Gy)
 ・病理結果で切除断が陽性の場合(または臨床試験の場合)、通常の50Gyの照射後に電磁波を1回2Gyを10Gy照射します。(計60Gy)
治療計画放射線をどの部位に、どの方向から、どのくらいの量を何回に分けて治療するのかという治療計画をします。
シュミレーターと呼ばれるX線透視装置やCTを使って治療部位を決め、がんに十分な放射線量があたり、がんの周囲の正常組織にあまりあたらないように放射線照射の方向を検討します。
一方向からの治療のこともあれば、いくつもの方向から照射する場合もあります。
CTで得られた画像を用い、3次元治療計画、強度変調放射線治療(IMRT)という照射方法にすることもあります。
従来の放射線治療方法に比べると腫瘍により限局して放射線を照射することができる方法です。
どのような照射方法が適当かは腫瘍部の線量分布、周囲正常組織の照射線量、治療の目的、全身状態などを考慮して決定されます。
照射方法が決まると、皮膚表面あるいはシェル表面にマ-キングをします。
トマトの場合は、1時間半くらいかかりました。
毎回の照射通常、放射線は通院でおこないます。
体表面に描かれたマ-キングをもとに放射線治療技師により行われます。治療に用する時間は、治療室に入ってから出てくるまで10~20分程度で、実際に放射線が照射されている時間は数分です。
(余談ですが、トマトの病院はかなり待ち時間が長かったです。)
通常月~金曜日までの週5日が治療日で土曜日、日曜日、祝日が休みです。

経過観察は、週に1~2回は放射線治療医の診察があります。
必要に応じてX線検査、血液検査が行われます。


放射線の副作用
全身的な副作用としては、疲れやすい、食欲がなくなる、貧血・白血球減少・血小板減少、皮膚の変化があります。
部分的な副作用としては、食道炎による飲み込みにくさ、飲み込む時の痛みや、放射線肺臓炎による咳、発熱、息切れが出ることがあります。
放射線の副作用には個人差があります。
トマトの場合は、疲れやすい、皮膚の変化(日焼けした状態、皮がむける)、そして多少の息切れが出ました。



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