2006/06/23(金)11:10
さくらんぼゲーム
数日前のこと。
スーパーの店頭に色鮮やかなさくらんぼが並んでいた。
ちょっと前までは極少量パックでも高価なものだったが、
量もけっこう入っていて398円だった。
しかも。
プライスカードに 山形県 佐藤錦 とある。
山形の佐藤錦といったら、
一粒何千円の世界の超高級品と聞いたことがある。
それが、こんなにたくさんパックに入って398円?
隣に積まれたアメリカンチェリーに後ろ髪を引かれる旦那ちゃんをおしのけて、
Tommyは佐藤錦のパックを手にした。
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帰宅後すぐに一粒試食をしたが、
ビジュアルの美しさの割にはあまり味がしない。
「佐藤錦は佐藤錦でもB級なんじゃないの?」
と旦那ちゃんが言った。
「だから、アメリカンにしとけば良かったのに…。」
それは聞こえなかったことにして。
次の日。
たまたまかも知れないけど、その日食べた粒の方が甘かった。
「メロンとかみたいに置いておくと熟すみたいよ?」
旦那ちゃんは騙されたと思って食べてみた。
「変わらないよ。やっぱりB級だったんだ。だから安いんだよ。」
そして昨日の夜。
「もう、食べないと悪くなっちゃうよ。」
旦那ちゃんが寝しなにサクランボを洗って、ボウルに入れて持ってきた。
ベッドに横になって、テレビを見ながらつまむ。
Tommyは誕生祝のケーキをご馳走になって腹一杯だったので、
さくらんぼには見向きもせず、テレビだけ見ていた。
ちーん。
ち、ちーん。
ちーん。
背後からボウルに種をはき出す音がする。
振り向くと肘まくらで横になってテレビを見てる旦那ちゃんが
「食べる?」
と、種と軸も一緒ごたになったボウルを差し出した。
なにげに一つつまみ、種をボウルにはき出す。
ちーん。
旦那ちゃんもまた新たな一粒を口に放り込み、
ちーん。
ボウルを挟んで向かい合わせに目が合った。
「…ね、俺、すごくやりたいんだけど…。」
さすが、日は浅くても夫婦。である。
今、同時に同じ事を考えていた。
Tommy「いいよ。やりなよ。」
旦那ちゃん「いいの?ちょっとマズイかなって遠慮してたんだけどさ。」
Tommy「いいよ。私もやりたいから。ほら。」
旦那ちゃんの顔にボウルをむけた。
旦那ちゃん「いくよっ!」
Tommy「はいよっ!」
ぶっ! ぽとっ。
種は虚しく、ボウルの20cmくらい手前のシーツの上に落ちた。
旦那ちゃん「うわっ。やっぱダメかぁ。ちょっと自信あったんだけど。」
Tommy「じゃ、もっと近くで受け止めてあげるから。」
旦那ちゃん「よし、行くよ!」
Tommy「はいよ!」
ぶっ! ぽとっ。
旦那ちゃん「はぁ~、やっぱダメかぁ。ちょっと悔しいなぁ。」
Tommy「じゃ、あたし、やる」
旦那ちゃん「おう!こい!」
最後の一つを口に放り込み、念入りに種を選別し、唇に力を込めた。
ぷっ!!!! ち~ん!
種は華麗な軌跡を描き、ボウル目がけて飛んでいった。
「やった!やったぁ~!!!」
おバカな夫婦の歓声の響く中、大盛りあがりで夜は更けていった。
スイカのシーズン到来が楽しみである。