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そよ風のように☆

そよ風のように☆

君に恋した夏(12話)

「遅いよ、ご飯は?」

「いらない」
そいった俺は、自分に部屋へ。
「健、ご飯いらないならなんで電話してこないの?」
凄い剣幕で怒る母親。

いつもなら、ここで親子喧嘩が勃発するんだが、そんな気にならなかった。
引きぱなっしの自分の布団に寝転びながら、今日あったことを考えていた。

初めてあった君の事を。君との出会い、君が倒れる、君を介抱する。
君の話を聞く。

★☆★☆★


七瀬 夏帆(ななせ かほ)、君の名前だった。

160cmくらいの長身で色白で整った顔立ちにショートという外見は、
今までにあった女の中で魅力的な女性と言えるだろ。



いろんな話をしていて、君は俺よりも2つも年下だと知る。

ゾクリとさせるほど妖艶で、俺の心を鷲みにされた。

それなのに、たまに見せる笑顔は16歳という幼さを覗かせる。

この時点で俺は何故君が俺を知っていたかという疑問よりも、
君の事をもっと知りたいという欲求が加速していった事は確かだ。


何処に住んでいて、どこの学生で、どんな人と付き合ったんだろうか?

そうだ、他の男もほっとくはずがないだろう。

今は彼氏はいるんだろうか?


君のことが知りたい。


★☆★☆★



今日あったことを反芻していて、俺は大事な事に気付いた。

次の約束も、携帯番号すら聞かなかった。正確には、聞くのを忘れてた。

俺は一気にテンションがさがり、項垂れてしまった。

次はいつ会えるだろうか?

もう会えないかもしれないな・・・・。ふと、そんなことが頭をよぎった。


そして、最後に言った君の台詞が「またね。きっと、近いうちに会うことになると思うよ。」

と俺にウインクして言ったのだった。


あれは・・・どういう意味だったんだろうか?



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