深秘の華苑

を付けられた。

以下、決して惚気では無く怒りで。

正直、あたしはマゾい人なので、キスマークを付けられるのは厭じゃない。
だって、「誰かの所有物」みたいやん。
でもねえ。付ける場所考えろっちゅうの。

首筋にえらく派手に一つ。月曜迄に消える様子無し。

って、ねえ。
人を殴る時だって、外から見て解らない所を殴るのが定説やん。
もう一寸さ。人目に付かない場所にしてくれやんかの。
高校生とかサルの如くセックスに溺れてそうな年代が
これみよがしに付けてるのは、まあ若気の至りで許してくれそうやん。
でも、おいら三十路社会人な訳よ。社会的立場ちゅうものがあるやん。
夏物タートル無いし。どうせぇっちゅうんじゃ
（冬ならｵｹｰ､と云う訳では決してない）。

何故、彼がキスマークを付けたかは解る。
彼は週末が不満なのだ。
平日は仕事大杉だから彼と逢っていなくてもあたしは浮気出来ない。
だから、彼はあたしと逢わなくても我慢出来るらしい。
でも土日は、彼と二日間べったりな訳ではない。
彼の監視は無い。其の「隙」が厭なんだそうだ。
以前の別れ話の時に話していた内容の中で、彼は
「（自分は妻帯者だから）何時迄も黒左右衛門を拘束しているのが
　拙いのは解っている」と宣うたものの、結論的には
「それでも離したくないし一生一緒が良いし
　他の男と付き合いたいから別れて、と云われた所で
　気持ちの収まりが付かない。
　多分、俺が惚れるのは黒左右衛門が最後だから
　此の関係を死ぬ迄続けたい」と、意味不明な事を訴えた。
つまりアレだよ、自分の目が届かない時に他の男と遊びに行ったり
セックスに至ったりするのが迚も迚も厭なのだ、彼は。
だから其の様なおイタをしないよう、マーキングしてきよった。
じゃあ、脱いだらばれる所にマーキングしろよ、な話やん
（お下品な話だけど、彼は其の他剃毛しろとかピアスつけろとか
取り敢えず「他人に見せられない身体」にしてと煩い。
気持ちは解るが、ｱﾀｲの身体に指示するなっちゅうの）。
此れじゃおイタ云々の前に「只の破廉恥女death☆」と
一般市民にアピールしちゃってるやん。
何が厭って、例えば鼻毛が出ていたらツッコんでくれるだろうけど
流石にキスマークはツッコミ辛いやん。其の状況が厭。

抑も、既婚者に将来の無い拘束される、っちゅうのが納得いかん。
バツは付いたが、おいらはしっかり独身なので
そんなおいらに、素敵なダーリンが出来る予感がしたら
生暖かく応戦してくれて、
見事纏った日にはハンカチを振って送り出してくれるのが
既婚者の役目やないやろか、と青年の主張。
永遠の春は無い訳で、何時か終焉の時期が来るものだし。
其の現実を丸っきり無視したいらしい不倫相手が厭。

んで、其処ら辺を余り強く主張できない自分も厭。
ちゅうかキスマークは今日発見したんだけどね
（ちゅうか土曜は余り鏡を見ない生活をしていた。
　其れってどうよ？みたいな）。


どうしよ明日。