ここしばらくチビは笑いませんでした
そして近寄っても来ませんでした
原因は私なんですけど・・
大将がチビを街まで連れ出してくれました
「お母さん・・チビが”お母さんにくっついてない”って言っていたよ」
「うん・・わかってるなんか駄目なんだよ・・・」
「そうだよね・・だけど、アイツの気持ちもわかるんだよ」
「うん・・」
「私思うんだけど、私は先生にこび売って、先生の言いなりに高校決めて、じゃあ人生全部責任取ってくれるの?取ってくれないでしょ。私はお母さんの選択も、アイツの選択も間違っていないと思う。最後までフォローしてくれる先生って違うよ。お母さんだっていろんなコーチや先生を見てきたからわかるでしょ?まぁ・・公立落ちたのは計算外だったけど・・」
うんうんわかる・・・頭の中ではわかってる。だけど、いろんな事が頭にあって
どうしてもチビに優しくできない自分がいて・・
死ぬ気モードで勉強していたとは思えない・・・
陸上からも逃げて、勉強からも逃げて・・・そんなふうに思えてしまってる自分。
姉ちゃんとの会話・・
「あのさ・・お母さんの気持ちもわかる。私も同じように思う。
だけど、私や大将とはアイツは違うよ。甘い甘い末っ子だよ。」
「うん・・アイツが笑わないのはお母さんの所為だよ」
「お母さん、落ちたことを怒ってるんじゃないでしょ?」
「うん・・・」
「それと、陸上の事は仕方ないよ。あれはチビの所為じゃない。
チビの選択は間違ってない。お母さんの選択も間違ってない。
悔しい気持ちはわかるけど、チビも傷付いてる。わかってんでしょ?
あの先生は最後まで人をフォローは出来ない。」
「うん・・・」
気持ちは大分落ち着いて居ていました。
なんとかしなければチビのココロが壊れてしまう
それもわかっていました・・・
二人の姉はどちらの気持ちも察していました
ポツンと台所の椅子に座っていたチビ・・
「お帰り・・」
「ただいま・・」
スッと抱き寄せた瞬間
「お母さんに触るの久し振り」
スリスリ・・・
「ばぁ~か」
「だってぇ~・・・」
チョット涙声でチョット笑って・・・
暫く私に絡まって離れませんでした
やっと笑顔が戻りました
親に甘えられなかった寂しさを嫌と言うほど味わってきたのに
自分の子供に同じ寂しさを与えてしまった私。
だめだなぁ~・・・・
姉ちゃんと大将に感謝です・・
「根性入れなさいよ。今まで通りじゃ許されないよ」
「うん」
ホントにわかっているのかね・・・
いつまでもくっついて離れないチビ
ご飯支度できないっつーの!