強い娘たち
チビが姉ちゃんが所属していたランニングチームに入ることになり、土曜日が初練習でした。生前から自分の後釜として、チビにチームのスタッフを勧めていたので「姉ちゃんの意思を受け継いで・・」とも思ったのでしょうか・・・突然「私走るから」と宣言したのです元々小学校から走り始め(姉ちゃん二人の影響ですが)中学時代は陸上部で中長距離の選手だったので、違和感はないのですが、走るのが嫌いになり、高校は全く関係のない馬術部に籍を置いていたので、「走る」という言葉を聞いて耳を疑った私です姉ちゃんを感じて姉ちゃんの着ていたジャージを着て姉ちゃんと一緒に頑張る彼女の想いは常に姉ちゃんと一緒にあるようです。初参加した土曜日、あいさつで泣いてしまったと言っていました。姉ちゃんとかぶるところには亡くなってから行きたがらなかったので、想いが溢れ出したんだと思います。「でもね・・・ちゃんと練習はできたよ。みんな優しくしてくれたし」いつか、姉ちゃんと一緒にレースに出れたらいいね... ひよこ看護師の大将は、葬儀の次の日吐きながら出勤していました。「行かないと私はダメになる」姉ちゃんがいつも使っていたバックに荷物を抱え、姉ちゃんに黙って線香をあげ、泣きはらした目で出勤していきました。それから二か月余り...日々悪戦苦闘しながら仕事をしています。「勤務先がICUとかじゃなくてよかったよ」迎えに行ったときにポツリと呟きました。救急やICU勤務だと娘を思い出してしまうからと...看護学校の頃は最前線で働きたいと熱望していたのに...・「でもね・・いつか、三次救急のある病院に移って、救命の看護師になる。姉ちゃんの担当だった看護師のように私はなりたい。家族の気持ちを大切に考えて行動してくれる看護師になりたい。今は無理だけど...きっと姉ちゃんもその方が喜んでくれると思うんだよね」娘が運ばれた病院の看護師の行動は、辛い中にあっても私たちに穏やかな時間をくれました。最後のお別れを出来たのは、病院のスタッフのお蔭だと思っています。「そうか・・・」いつになるかわかりませんが、きっと彼女は救命の看護師になってくれるでしょう。強い娘たちです。姉の死をしっかりと受け止めて前に進もうとしています。 私も負けていられないなぁ~・・・一番へなちょこなのは、きっと私です悲しみの中にあって、少しだけささやかな幸せを二人に貰った私です。