フェルメール第二弾
非常勤の授業も前期は残すところ、あと1週となった。今春発売された『うた恋。3』ほか、あれこれと貸し出していた本(古典がらみの漫画)が戻ってきた。一昨年、思いも寄らぬ荒い扱いでボロボロになってしまった『うた恋。』も、痛みの度合いはほとんど進まなかったようで、ちょっと安心。やはり貸し出すときに、よく言い聞かせないとダメだな。 小雨交じりの天気で、これならば空いているだろうと、今週も上野駅で途中下車する。本日のお目当ては東京都美術館の「マウリッツハイス美術館展」。入場の並びもなく、順調に会場内へ。風景画・歴史画と想定内の混雑レヴェルで、空いてはいないもののギュウギュウ状態ではなかった。ルーベンス・レンブラントと続いて、フェルメール1作目「ディアナとニンフたち」。やはり混んでいる。だがそうひどくはない。のろのろと進む列に身を任せながらご対面。画面向って左側に窓があるタイプではなく、初期に取り組んだ歴史物だ。だが、対面して瞬時に感じる、画面の中の様々な直線が形作る構成美。まさにフェルメールの世界だった。有名な、風俗画タイプではないせいで、客足も早く流れていくので、流れに逆らいじっくり鑑賞できた。 興奮冷めやらぬまま1つ上の階に上がると、またしてもフェルメールが!出ました「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」。今回の最大の目玉だけあって、こちらは最前列で観たい人の列と、後ろからでもいい人の列に分かれている。最前列で観たい人の列がずーっと続くはるか彼方にその絵は鎮座ましましていた。もちろん、そちらの列に並び、待つこと20分。並んでいる途中でもチラチラと人垣の隙間から眺めてはいたけれども、実際に正面に立つと、空中の埃が浮かび上がるような光の加減と、やはり画面の至る所に顕れる直線の交錯による構成美。フェルメール作品トップの人気を誇るだけある、今にも話しかけそうな唇と闇から浮かび上がる耳飾り、画面上部で存在をアピールする青いターバン。あぁ、何もかもが美しい。ため息、またため息。最前列から離れ、後ろからでもいい鑑賞スペースでさらに鑑賞。 それにしても、先週のベルリンのものとはどうしてこうも違うのだろう。