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ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2004年02月07日
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 あなたは何歳まで働きたいですか?私はいまのところ独り身だし、貯えもほとんどないから、死ぬまで、細々とでもいいから、書く仕事を続けたいと思っています。

 世の中、定年制延長の論議が喧しいことになっていますね。流れを整理しておきましょうか。

 新年早々飛び込んできたニュースがこれ↓

「厚生労働省は(1月)6日、サラリーマンらが加入する厚生年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられることに伴い、労働者が65歳まで働ける「継続雇用制度」の2013年度までの導入などを企業に義務づける方針を固めた」

 現在はご存知のとおり、60歳定年制となっています。ところが、厚生年金の支給スタートが段階的に65歳に引き上げられてしまうので、最長5年間の空白期間ができてしまう。定年で会社を辞めねばならいけれど、年金がもらえないので、収入の当てがなくなってしまうのです。だから、継続雇用の義務付けという発想ですね。

 もう少し詳しく説明すると、厚生労働省の改正案では、〈1〉「継続雇用制度」の導入〈2〉定年の65歳までの引き上げ〈3〉定年を定めない――のいずれかを実施することを企業に義務付ける方向です。そして、継続雇用制度は、原則として希望者全員を対象とするけれども、対象者の基準を決める労使協定を結ぶなどの例外も認めるとしています。

 当初は一律「65歳定年制」への引き上げを打ち出していましたが、経済界が「人件費が増えて競争力が弱まり、かえって雇用は減る」と強く反対したため、厚労省は、法改正による定年年齢の引き上げを見送り、企業側の裁量に委ねる含みを持たせたのでした。

 ところが、経済界は「継続雇用制度は、原則として希望者全員を対象とする」という部分に執拗にこだわって反対の姿勢をとり続けた。

 経済界に配慮するかっこうで厚労省は改正案を次のように手直ししました。

「労使協定で継続雇用対象者の選別基準を設けることができる。しかも猶予期間中(06年度の法施行後、大企業3年、中小企業5年)は、労組の同意がなくても選別基準が決められる」

 つまり、「抜け道」を作ったのですね。大企業は2009年まで、中小企業は2011年まで、60歳を過ぎても働ける人と働けない人を選別することができるというわけです。

 この改正案を自民、公明両党が厚生労働部会で了承したのが2月5日。政府は10日に閣議決定し、今国会に提出します。今後、国会でさらに論議されることでしょう。

 あなたは反対?賛成?それとも、「60歳を過ぎても働くかどうかなんて、そんな先の話は分からない」?

 就職先の会社を選ぶときに、その会社が定年制や退職制度についてどのように考えているのかという方針を知ることは、とても重要です。

 最近では、退職金を廃止する会社も出てきています。通常、会社は退職金割り当て金を月々積み立てています。退職金を廃止する会社は、積み立てを止めて、その分を月々の給料に上乗せするとしています。退職金が全く無いとなると、年金だけでは不安ですから(だって、大企業の場合、退職金の前借で住宅購入費の頭金を支払う人がほとんどですよね)、リタイア後の生活費を自己責任で計画的に形成していかなければならないわけです。

 リスクを分散させるという考え方からすると、退職金制度のある会社のほうが安心という結論を出す人もいるかもしれないし、いや、自分は同じに定年まで勤めるつもりはないから、もらえる給料は全て現時点清算方式がいい。自己責任で老後の資産を作る自信があるという人もいるかもしれない。

 つまり、老後の設計は、老後になってからでは遅すぎる。キャリアをスタートさせる時点から、多少なりとも意識すべきだし。スタート地点の前にいる学生や専業主婦だって、自らのライフプランの一環として考えておいたほうがいいでしょう。

 さて、話を「60歳以降の雇用継続」モンダイに戻すと、働く側にとって、今回の法改正はトクなのか損なのか。

 ネットで検索してみたら、「ゲンダイネット」に「厚労省が“年金崩壊”の責任逃れで導入決定 “65歳継続雇用”大不幸」という批判記事が出ていました。改正案を批判する論拠は次の3点です。

http://gendai.net/contents.asp?c=051&id=1259

1)人口のボリュームゾーンである団塊世代(1947~52年生まれ)の多くがあと10年近くも働き続けるとなれば、企業はその分若者の雇用を抑制せざるを得なくなる。ただでさえ20代の失業率は10%を超えているのに、若年世代の職を親世代が奪うようなもの。団塊の世代と若者の“世代間抗争”にも発展しかねない。

2)改正案は雇用継続後の賃金水準について触れていない。そのため、継続雇用期間中の給料がいくら安くなっても文句は言えない。“嫌なら辞めろ”と言われるのがオチ。

3)団塊世代が現行の60歳定年で退職すれば、07~10年の累計で3兆6000億円の増益が見込まれる人件費削減効果(野村総研リポート)もパー。企業の活力は失われる一方だ。

 そして、「今回の改正は『年金崩壊』の責任を回避するための厚労省の陰謀です。高齢者や若年層にも、企業にとってもいいことはありません」という経済ジャーナリストのコメントを結論として掲げています。

 1)については、フリーターや若年失業者の増加は、企業や労組が雇用の維持を重視するため、新規採用数の抑制および採用停止の方策を取ったためにもたらされたという批判もあり、難しい問題です。

 失業率はひとまず4%台に下がりましたが、この数字は前世代の平均値であって、若年者に限ると実は10%を超えているのです。

 雇用は限られたパイであり、それを中高年と若者が奪い合う構図が現実のものとなっていて、60歳以降の雇用延長は、その競争をさらに激化させるという考え方ですね。

 2)と3)については、よく考えると矛盾があり、2)によって賃金抑制が進めば、3)の経済効果のロスは小規模で抑えられる結果になるんじゃないかと私は思います。

 現在でも早いところでは45歳ぐらい、そうでなくても50歳を過ぎると賃金上昇カーブは下方向へ転じる……つまり、年々給料が下がる仕組みをとる企業が大半ですから、たとえ60歳以降に雇用継続されても、収入のレベルは決して高くならないはずです。

 私は、60歳以降の働き方の選択肢が増えるのはいいと思うし、年金制度を維持するためには、あらゆる手段を講じるべきだと思います。ただし、「働きたい」と思う人にはチャンスが与えられ、本人の夢や希望をかなえるサポートシステムがあってほしい。

 いずれにせよ、自己責任で選択するという流れは変わらないのです。どのように働くか、いつまで働くかを、全ての人が自分で考え、選択し、その結果に責任を持たねばならないのですね。

 私たちフリーランサーにとっては当たり前のことですが、会社で働く人は、いままで「あなた任せ」だったのでピンとこないか、猛反発するか、どっちかなのかもしれませんね。






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最終更新日  2004年02月07日 12時18分19秒



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