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次の曲がり角に 待つものはなんだろう 晴れと雨は 希望と絶望は 交互にやってくる 大きくても小さくても *** 庭にチューリップが咲いた。 赤、ピンク、白、黄色、紫。 私が一番好きな花。 真っ白な体のちびがこのそばをとおると、 花々の色がとても映えてかわいかった。 もうちょっとだったね。 この暖かい日々まで。 これからも、 チューリップが咲いたらあなたを想おう。 イチゴ狩りに行ったとき。 それはただのビニールハウスだったのだけど、 一面ま緑の葉っぱたちの中に、 ぴょんぴょんと伸びている茎、そして先っぽに 真っ赤ないちご。 そして・・・・・白い花。 この、赤と、緑と、白のコントラストが あまりに素敵で、 「あとでこうかいするよ~」なんていわれながら 何枚も畑の写真をとった。 好きな色はなに? 好きな空の色は深い青。 好きな服の色はピンク。 好きな地面の色は頑固な土色。 好きな光の色は透明。 *** ビニールハウスのすぐそばにはなぜかウサギ小屋があって、 土の上を点みたいに、ウサギが散らばっていた。 白いのも茶色いのも。 あっ、一匹だけ黒いのも。 草をかんで口を小刻みに動かしたり、急にごろんと寝転んだり。 えさがもらえるのかと近寄ってきたり。 抱いてみると、どこまでも毛のようなやわらかい手触り。 点がうごめいているみたいなその光景がかわいらしくて、 いつまでも小屋のそばを離れられずにいた。 小学校の子供たちみたいな気持ちで。 自然は不思議。 ちゃんといろんな色や形が、一番素敵な組み合わせになるように できている。 一番好きな組み合わせはなに? クリームソーダの緑と白。 イタリア国旗のトリコロール。 夏の海の青と水色。 富士山の、青とてっぺんの白。 バランスとタイミング。 青いだけの空はないし 晴れの日ばかりってこともない。 笑ってるだけの人はつまらない。 きっとみな同じ。 *** 今日、出かけようとしたら 最初にクローゼットに手をかけて触れたのは 冬のダウンジャケットだった。 つい先日までこれを着てたんだよね。 季節の変わり目は、音も立てずにやってくる。 きっと毎日一ミリより小さな単位で、 人々にわからないようにやってくる。 でもそっと耳を澄ませば ひざしの注ぎはじめる外を見渡せば、 空中をはしゃぐ金色の小さなつぶつぶが見える。 どんな時も。いくつになっても。 そんなつぶつぶだけは、見える自分でいたい。 確か去年の、もうすぐ九月というある日。 私は交差点で自転車を止めて、赤信号が変わるのを待っていた。 風が強くて蒸し暑くて、息苦しいような夕方だった。 急にごろごろとイナビカリがして、ざぁっと雨が降り出した。 そばにいた多くの人たちがいっせいに「ほおっ」と言って空を見上げた。 私は驚きながらも仕方ないまま、ぬれるごとに重くなる ワンピースを体に張り付かせて、自転車をこいだ。 雨は不思議。 雨つぶがいろいろなものに勢いよくぶつかっている。 どんなこととの間にも雨が介在していて、私との間を遠ざける。 あんまり遠くてよく聞こえないなんだか心地いい歌に 耳を傾けるときのように、 それは眠くなるような幸福な、自然との一体感。 みんなが屋根の下にかけこみ、スーパーに駆け込み、走っていく。 その光景といっしょに、夏がものすごい速さで、 さよならを告げていくような気がした。 次の日には、ぱりっとやわらかい秋の空が広がった。 やっぱりあれが夏の終わりだったのだ。 *** 色、季節のはじまりと終わり、手触り、におい。 何か世界が不安になるのは、いつもそんなものたちのバランスが ちょっと崩れたときだ。 それはあまりにほんの少しなときもあるから、 気づいたころにはもう遅いこともある。 怖いニュースを、悲しい事件を映し出す ブラウン管を眺めているとき、 いつもそんなことを思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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