銀の裏地

2010/12/05(日)13:05

読書週間スペシャル その5

読書週間スペシャル(11)

 また間があいてしまったが、読書週間企画のつづき。  まあカンタンには行かないと思っていたが、そうそうご新規さんはいらしゃらない。校長のGOサインが降りたので先生方へのアピールも兼ねて、読み手募集のおたよりは校長名で出させてもらった。そのぶん文面もカタめになるわけで、案の定反応は鈍い。ちらほら。  通常のメンバーで積極的なのは低学年に今年から入ったお母さんたち。古参のみなさんはこういう新しいことはなじまないのかと落ち込みそうだったのだが、リーダーさんにこの小学校の朝読書の取組はもともと昔話を語りで子どもたちに届けたいというところから始まって…という由来を聞いて納得。今でこそ絵本の読み聞かせのほうが多くなっているけれど、発祥はストーリーテリングだったのか。確かに古参で今も残っている方は地域のストーリーテリングの会に属しているみなさんである(小学生の保護者でない人のほうが多い)。とすると絵本で新しいことを、とか朗読を連続で、というのは畑違いな感じがするのかもしれない。少しずつ皆さんにお話を聞いていくと、やはりそちらは自信がないから、とか連続なら学校の保護者さん同士で連帯感をつくってのほうがいいのでは、とか、まあそんな感じ。  でも皆さん、企画の進行を見守ってくださって、その後も「どうなってます?」とお声かけをしてくださったり、足りないテキストを回してくださったりと、あたたかい気持ちをいただいたのだった。  しかし実施となるとそこでうっとりしているわけにもいかない。このままでは3日間同時に全クラスは不可能。コマが足りない。2日間だけでは連続感に欠ける。しかし、1日目と2日目にはそれぞれ予備日をいただいていた。クラスによっては予備の日にずらして調整すれば、1,2日めはそれだけで倍埋まる公算、3日目問題さえクリアできれば。  ここで3年生の先生方のリクエストが入る。教科書でその頃に取り組む『わすれられないおくりもの』のシリーズ絵本が他にあるそうだからそれを取り上げてほしい。スーザン・バーレイ。調べてみるとあと2冊。教科書との連続性ということで、3年はこの2冊だけでいこう。そうすれば3日目に3年担当者が他の学年に入ることもできる。ちょっと光が見えてきたか。  そこで本格的に選定に入る。 1年生 いとうひろし『おさるのまいにち』シリーズ 2年生 アーノルド・ローベルから3冊 3年生 スーザン・バーレイのアナグマシリーズ 4年生 斉藤洋『ルドルフとイッパイアッテナ』を抜粋で連続朗読  ここまではすんなり決まった。ローベルは1年の教科書の最後に取り組むので、2年生が適当だろうということでこうなる。  5年生は椋鳩十を勉強中なこともあって「人と動物の関わり」をどこかで取り上げてもらえると、という声が先生の中から。佐藤多佳子の『イグアナくんのおじゃまな毎日』にしてみることに。動物とは関係ないが同じ作者のより鮮烈な中編『サマータイム』なら3日で全部読み終えられることだしと私は押したのだが、事故で片腕が使えなくなった少年との出会いという設定が朝にはきついのではという声が多く、下げた。彼の片手でのピアノ演奏の描写がいいし、力強い物語(文体も含め)だから私は同意はできないけれど、みんなが納得する本でなければ共通テキストにはできない。  6年生は重松清が静かにベストセラーになっていることをかんがみ(そういう学年なのだ)、『楽隊のうさぎ』はどうかという声があがる。ちょうど中学の部活に体験参加してきたばかりだ。部活ものだし最近の吹奏楽ブームの立役者であるこの本を、と。中1のお子さんがいるメンバーから入学前の課題図書に入っていて(そういう学校に進学されたらしい)、子どもたちに大人気だったとか(感想を書かされるのでみんな一応読んできたらしい)。亭主殿の仕事関連で吹奏楽部ものをまとめて読んだことがあったので、文庫本は私の手元にもある。好印象はなんとなく残っていたので賛成。私は5年に入るつもりだったので、ちょっと人ごとだったかもしれない。悪くないんじゃない、と。  しかし、朗読用にテキストをまとめる仕事はあろうことか私に回ってきたのだった。精読熟読おまけに確認用に朗読もしなくてはならないではないか! でも人手が足りないからしかたがない。「イグアナ」は章ごとでピックアップすればほぼなんとかなるし、「ルドルフ」もだいたいそう。やるしかない。  新規の方むけの説明会もこれは当然私の仕事、でもおたより作成&配布や場所とりは他の方におまかせなので、中身に関しては重荷ではない。テキストはとりあえず手分けして図書館で借りまくることにした。

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