銀の裏地

2014/10/28(火)13:08

「ゲルニカ」と「うつくしいえ」

絵本(40)

パブロ・ピカソ生誕133年を記念して、レゴで再現された「ゲルニカ」が公開されています。http://www.huffingtonpost.jp/2014/10/27/lego-guernica_n_6052762.html  「ゲルニカ」。この絵の存在をはじめて知ったのは、かこさとし著『うつくしいえ』のラストシーンでした。「モナリザ」はじめ世界の名画、誰が見ても「美しい」と言うだろう絵がいくつも紹介された後に、ひと呼吸おいてこの「ゲルニカ」が見開きで飛び込んでくる。 大原美術館育ちで印象派が美の基準になっていた4年生の私に、綺麗さとは別の方向で魂を揺さぶる「美術の力」を、この本とこの絵が私に教えてくれたのです。  レゴの「ゲルニカ」には、哀しみや痛みがない、叫びが聞こえないという人もいるでしょう。でもレゴにすることでより浮き彫りになるピカソの構成力(この絵を実際に前にすると、表現に心を持っていかれて形について考える余裕がなくなりませんか?)を実感することもできますし、「ゲルニカ」やピカソを知らない(!)若い人に伝えるきっかけにもなります。 個人的にはピカソ自身ではないかと言われる倒れた兵士が目立たないのがちょっと残念ですが… かこさとし(加古里子)著『うつくしいえ』は偕成社74年刊。  

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