|
カテゴリ:本・映画
この本を読み始めたとき、気分が悪くなり「やめてしまおう」と何度も思いました。
しかし読み進めると、話の奥(書き表されない部分)に興味を持ちました。 主人公が他人を知ろうとする姿は、自分が本を読み続ける理由と相通するような気がした。 ボリス・ヴィアン 心臓抜き 夫人は身籠ると、夫と胎児を恨んだ。 子供が産まれると、豹変し溺愛したが、夫を拒絶し続けた。 夫は自由を求め旅立つ。 居候している主人公には過去がない。 村人達を精神鑑定する「夢」を持っている。 人を分析することによって、その人物を吸収する。 村は荒れている。 子供、老人、動物へ胸焼けのするような虐待が平然と行われている。 しかし村人達の「恥」「罪悪感」は一人の老人によって無効化される。 その老人ももちろん罵声を浴びる存在である。 教会の神父は信仰を「贅沢」としている。 夫人の子供達は独自の世界で生きている。 ストーリーは少しずつ現実から逸れていきます。 主人公が村人達の行動(虐待)に慣れていくと、読み手も違和感がなくなります。 ラストの締めくくりが、とても美しいと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本・映画] カテゴリの最新記事
|