ローン減税の期間が
終わってからの方がいい
のでしょうか?
※住宅ローン返済者に共通の
テーマです。
自分の頭で考える生活設計。
発見したばかりの Q&A記事を取り上げて、
コメントしています。
Q
今年の頭に2300万 30年の住宅ローンを組みました。
変動金利 0.975%です。
※まずい、変動金利はまずい。
変動要因があっては、
生活設計のしようがありません。
保険の見直し等で、手元に数百万の現金が出来ました。
貯蓄として残しておくか、繰り上げ返済するか悩んでいます。
繰り上げ返済は、
住宅ローン減税の期間が終わってからの方がいいのでしょうか?
皆さんならどうしますか?
※その判断のためには、
住宅ローンの金利が大きな要素
になります。
それが変動金利では、
判断のしようがありません。
A
その数百万円を
リスク商品で運用して行くというのなら話は別ですが、
※話は別・・ではない。
リスク商品で運用するということが、
確実に大きな収益が得られるという
ことではない。
このような不確定要因は、
まともな生活設計にはなじまない。
それを予定しないのであれば断然繰上返済ですよ。
※「断然」というほどのことでしょうか。
住宅ローン金利が1%を切っていれば、
繰上返済はせずにローン控除を受けた方が有利という
意見があります。
※境い目は、そこではないんですが。
この意見は大体間違っていないのですが、
大きな落とし穴があります。
それは殆どのケースで、
繰上返済を早期に行う効果が考慮されていないからです。
※元利均等の住宅ローンの、
ローン返済額の元金と利息の関係は、
初期ほど利息を多く返済する仕組みに
なっています。
なので、
同じ金額を繰上返済する場合であっても、
早い時期であるほど、
利息節約効果が大きくなります。
・・と、
このことは、住宅ローンについて
コメントする人にとっては、常識です。
つまり、
基本的には金利が1%を大きく切っていない場合、
つまり本件のようなケースではすぐに返済した方が
有利になるのです。
※・・かどうかは、色々なパターンがあり、
ケースバイケースです。
実際に計算するのでご確認ください
■2015.01に2,300万円・0.975%・35年で借入、
500万円の繰上返済(期間短縮)を予定している場合
①2015.06に500万円繰上返済する場合
・繰上返済による利息軽減効果:約144万円
・住宅ローン控除総額:約140万円(満額控除を前提)
①2025.06(控除期間終了後)に500万円繰上返済する場合
・繰上返済による利息軽減効果:約86万円
・住宅ローン控除総額:約193万円(満額控除を前提)
まとめると
・繰上返済による利息軽減効果:144-86=58万円
(①が有利)
・住宅ローン控除総額:193-140=53万円
(②が有利)
■つまり、①早期繰上返済した方が5万円有利になります。
※まあ、500万円規模の話で、
5万円有利・・が、本当にお得かどうか。
まして、
変動金利ですから今後いつ金利が上昇するか分かりません。
変動金利には5年ルールや125%ルールがあり、
急激な返済額の増額は行われない仕組みになっているものの、
その間もきちんと計算され、後できっちり取られます。
※はい、変動金利ローンが好ましくない
のは、私も同感です。
今後の金利上昇を踏まえれば、
返せるときに返しておくという姿勢が鉄則だと思いますよ。
※なんでもかんでも繰上返済が有利
というわけではありません。
きちんと固定金利で借りたローンでの
『繰上返済 vs ローン控除』
を、しっかり比較検討したいものです。
下に掲載しますので、参考にどうぞ。
A
正直微妙です。
変動金利0.975%とありますが、
保証料が別途0.2%掛かっていませんか。
住宅ローン控除が残高の1%なので、
0.175%(=1.175%-1%)で運用出来るかが判断基準
になると思います。
0.175%での運用ができれば・・
という、「たられば」的発想は、
生活設計とはなじみません。
考慮の対象外にしたい。
もし、
私であれば、株式なら、迷ったら半分売却等すると思うので、
住宅ローンも余裕資金の半分を繰上返済するかも
しれません。
※勘やドンブリ勘定で動いてはいけない。
※融資額や金利や融資期間で判断が
違ってきたりします。
分岐点はどこか?
試算してみた資料を、以下に貼ります。
自分の場合はどこに該当するか?
探してみてください。
具体的な条件下で試算してみたら、
どっちが得か?
・・の境い目が見えてきました。
融資額3000万円、2500万円、2000万円、
返済期間35年、30年、25年、
金利1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、
それぞれの場合の試算をしています。
お断わりしておきますが、
ここで言う金利は、変動金利は除きます。
そもそも、生活設計の観点から
変動金利ローンという選択はありえない。
銀行に代わってリスクを背負うおバカ行為。
A:『繰上返済を優先した場合』
毎年100万円の繰上返済を10回
B:『ローン控除を優先』
控除期間は繰上返済せず、
11年目に1000万円を繰上返済
『 A - B 』の算数の結果を、
返済期間別、融資金利別にグラフ化しました。
融資額・返済期間・金利・・の、
それぞれで3通り、
計9通りの試算をしています。
試算結果が以下です。
※金利に着目すると・・
金利1.1%が境い目のようです。
そこより高金利なら繰上返済優先、
同じく低金利ならローン控除優先、
がお得♪ということが分かります。
返済期間に着目すると・・
期間が短いほど、
ローン控除を優先した方がいい
ことが分かります。
※ ・・。
まあ、これでも境い目がどこか?
は、分かりますが・・
記事を書いている今、
気づきましたが、これはまずい。
金利設定の幅が上記2つとは
違っています。
改めて、1.0% 1.1% 1.2%の
試算をしてから再掲載します。
そうでないと、他の要因での傾向を
正確に捉えることができません。
金利の高低以外の、
融資額の大小での比較や
返済期間の長短での比較で、
具体的な傾向を示したいと思います。
上記グラフの計算根拠は以下です。
たとえば、
融資額3000万円・25年返済の場合で、
3種類の金利でどのような差が生じるか?
繰上返済とローン控除のどちらを優先したら
お得か?・・について、
以下のような計算をしています。
※融資額3000万円、25年返済の場合、
金利1.0%と1.1%の場合は
ローン控除を優先した方がお得♪
金利1.2%の場合は
繰上返済を優先した方がお得♪
・・ということが、分かります。
このように・・
融資額、返済期間、金利の3要素
それぞれ3種類・・計9つの場合で、
具体的に試算してみました。
※融資額3000万円で固定。
金利と返済期間は3種類ずつ。
※融資額2500万円で固定。
金利と返済期間は3種類ずつ。
※融資額2000万円で固定。
金利と返済期間は3種類ずつ。
根拠を持って判断するべ。
・・っと。
〇 商品販売をしない。
〇 しがらみを持たない。
誇りをもって、愚直に、
消費者側に立ち続けて18年目の
ファイナンシャル・プランナー事務所。
《 質問希望? 》 ブログ右「キーワード検索」をどうぞ。
「キーワード検索」に言葉 ⇒ 「このブログ内」 ⇒ 「検索」。
《 顧問会員希望? 》 「顧問会員って何?」で支援内容や
当事務所との関係を確認の上、右記へfpst@axel.ocn.ne.jp
メール顧問会員は、指定した月日のみに受付けます。