想い出は心の宝石箱に。。。

2018/01/11(木)12:00

自叙伝 (39)中小企業 。。。

    支店長という肩書で、県内中小企業の多くの社長さんとの、出会いがありました。  本社に勤務しているだけでは、一流企業のサラリーマンが相手ですから、かような貴重な  経験をすることは、まずありえません。   大体、日本の企業数でいうと 99.4%が中小企業で、従業員数では  70%を占めます。出荷額では 50%といわれていますが、日本の経済を支えているのは  まさに中小企業であることが、ここからもよくわかります。    お逢いした社長さんは、それぞれが一国一城の主。都会のサラリーマンであれば、  そのような話を聴く機会もないでしょう。              ある高級クラブで、お客様と飲んでた時、( 皇子はいつもように、黒ビール・・  いんやコカコーラ・・)ママが耳元で、   ( あそこの席にいる、◎◎石油の社長がお呼びですが・・ )   ◎◎石油とは、地元石油卸売会社として有名な企業で、名前だけは知っていました。  もともとは、しがない炭の行商人だったそうですが、これからの燃料は石油だと  いち早く目をつけたそうです。そして、プロパンガスやガソリンスタンド経営に傾注し、  成功した新興財閥として有名でした。   ( お~~、君があの有名な、悠愛か・・よく、取引先から、君の名前を聞くよ・・            まあ~~~、一杯飲めや!! )  と、レミーマルタンのブランデイーを。   ( あの~~、わて不調法者で、酒が飲めないのですが・・ )  ( なに~~~、俺の酒が飲めない?! そんなら、何か芸が出来るのか? )  ( それでは・・ )   でたあ~~~!! 大ちゃん赤褌音頭。                                      七つ七クセ悪いクセ                    八つやっぱりなおらない                    九つ困ったすびばせ                    十でとうとうずっこけた                  大ちゃん ポッチョレ いい男                 てん てん 天下のいなかっぺ                これが大いにうけ、後日会社へ挨拶に行くと、新規取引の話がとんとん拍子で  まとまったのでした。   その後は何かと呼びだされ、夜の街を徘徊する仲になりましたが、ある時その  クラブのママが社長に・・              ( ねえ~~社長、聞いてくださいな。この前、磐梯熱海温泉に泊まった時に、    ヤクザにからまれたのよ・・ )  ( それで、どうした?? )   ( あんまりしっつこいので、私がだれだか知ってて、からんでるわけえ~?!     ◎◎社長の女なのよ、と啖呵を切ってしまったの・・したら、姐さんこれは、    失礼しました・って、尻尾を巻いて・・)  ( おい、おい・・・俺の名前をやたらに、出すなよ・・ ) ​  と、豪快に彼は笑い飛ばし、そして      ( ヤクザと何かトラブルがあったら、いつでもいいから悠愛も、俺のところに相談に     来い!! )     ​  急激に勢力を伸ばしてきただけに、闇の世界にも彼が通じていることを、  知らされたわけです。      お取引先で組織される会の会長は、皇子が支店長として着任する前から、  福島在鋼材問屋の社長さんでした。といっても、御年80歳を越えるおじいさん。  まさに好々爺という言葉が相応しい、いつもニコニコしている、いい人でした。   ゴルフが大好きで、会社を訪問した際には、まずゴルフの話から始まります。  ゴルフコンペに参加しても、なかなか優勝出来ない皇子。あるとき、冗談で  優勝カップが欲しいなあ~!!と言ったら、社長室に飾ってあるカップを  くれたのです。  ( 今度は、自分の力でカップを、もぎとってごらん・・)  と、言いながら・・   その年の、弊社取引先を招待してのゴルフコンペで、なんと皇子が優勝。  会長だった彼に、  ( 主催者の私めが、優勝するのはまずいのでは・・ )  と相談すると、  ( あはっ・・とれる時にもらわないと・・全然かまわないよ・・)               ご高齢だった彼は、ある時息子さんに、社長職を譲りました。  ところが、息子さんは不動産鑑定士の免許を持っていて、鋼材取引については  興味がわかないようでした。   取引先の決算書はもらっていますので、業績が悪化してきていることを、数字が  物語っていました。東北支社審査チームからは、取得済み担保額以下に同社との  取引額を、抑えるよう指示がありました。    会長にその旨赤裸々に説明し、会長も  ( やはり、息子では無理なのかな?・・ )  と寂しそうにつぶやいたのでした。   ある晩会長から携帯に電話があり、明日破産の手続きにはいるけど、御社には  迷惑をかけないようにしてあるから・・  翌日会社を見に行くと、債権者達が同社の在庫品をわれがちに競って、倉庫から  引き出しているのです・・・               弊社としては、会長のお詫びの通り、実損はありませんでした。  中小企業というのは同族経営だけに、老舗の会社でも経営を託された次世代  の能力次第では、このような結果になるということですね。          ブログ村ランキング参加しています。           下の画像を応援クリックしてね。                 ↓                                 

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る