2019/03/22(金)12:10
ALWAYS 三丁目 夕日の癌マン(5)。。。
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本作品には過激な描写が一部含まれていますが、作品のオリジナリ
テイーを尊重し、そのままで公開します。ご一読の際は、保護者の方の
適切なご配慮を、お願いいたします。
また後期高齢者の方は、興奮のあまり脳卒中の危険性があります
ので、部屋を明るくしてお読みくださいませませ。
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第六章
さらに腕を磨く為に比叡山を下り、武者修行の旅として譲は、
全国を行脚していた。
ここは江戸、神田お玉が池。
原発事故によって廃墟となった陸奥の国と異なり、
江戸には賑わいがあった。
玄武館道場の前で、譲は大きな声をあげた。
( たのもう~~~。誰かおらぬか? )
千葉道場は、斎藤弥九郎、桃井春蔵と共に三剣士の一人、
北辰一刀流を唱える千葉周作が、開場したものである。
( おぬしは?? )
( 比叡山延暦寺にて、修行をつんだ悠愛譲と、もうすもの。
千葉先生に、是非お手合わせ、お願いしたい。)
通された道場には多くの門下生と、その中に紅一点の女性がいた。
千葉さな。
千葉周作の弟、定吉の次女で、14歳で免許皆伝となった。
その美貌と剣術の腕から、<千葉の鬼小町>と呼ばれていた。
( わたしが、お相手つかまつりまする。)
譲は、着物を脱ぎ棄て、赤フン一枚となった。
まるの中に金と書いてある。
( きゃあ~!、いなかっぺ大将みたい。)
( 註 1 )
恥ずかしそうに顔を赤らめたさなに、譲の一撃がなされた。
さなはひらりと体を入れ替えてかわすと、太刀を上段に構え、
すかさず間合いをとった。
(ごめ~~~ん・・・・ )
譲は飛びかかると、咄嗟に正宗を抜き、さなに切り込んだ。
一瞬の静寂・・・・・
さなの表情が、苦痛から次第に悦びに、変わっていくのがわかる。
( あっ、いかん。みみずが千匹・・・・)
さなのくりだす秘儀の前に、譲は比叡山で学んだ、貝原益軒の
教えを、脳裏に浮かべながら堪えた。
( みみずが1匹、みみずが2匹・・ みみずが 999匹・・ )
譲の腰の動きに、ついにさなが、
( あ~~~もうダメ・・・、いっちゃう~~~~!!
小林いっちゃ~~~~!! )
と、叫んだ。
( 勝負、そこまでえ~~!! )
周作の声が、道場に響き渡った。
( おみごとな腕前。どうじゃ、さなと夫婦になり、この道場を
継がぬか?? )
( ありがたいお言葉ではありますが、拙者には父の敵を討つという、
大望がありまする。)
( そうか・・・義の戦いは、当道場の訓。それでは、蝦夷のヒグマと
呼ばれている、師範代藤原二六郎を、助っ人としてつかわそう。)
( あはっ・・・ありがたき、お言葉。)
これで三銃士となる。ONE FOR ALL, ALL FOR ONE. ( 註 2 )
母エミリンは、若年性認知症を患ったとの便りもあり、 往年の拳銃
さばきは、もはや期待出来ないであろう。
一人でも多くの助っ人を得ることはありがたい。
懐手で道場を去る、譲のいなせなうしろ姿。
剣士としての敗北の悔しさ、そして女としての心のざわめき。
その間で< 揺れる想い >のさなが、いつまでも見送っていた。 備考:
(1) いなかっぺ大将 川崎のぼるの少年漫画。1968年雑誌に掲載され、
その後テレビアニメ、映画化された。主人公大ちゃんは、
赤い越中褌がトレードマーク。
(2) 三銃士 アレクサンドラ・デユマが1844に発表した作品。
< un pour tous, tous pour un >、一人は皆の為に、
皆は一人の為という言葉は、本作品から出現した。 ブログ村ランキング、皇子参加しています。
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