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テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:いつも隣に音楽を♪
いつでもどこでも聴いているブラウンローチクインテット。 クリフォードブラウンとマックスローチさんは性格も一見すると正反対で、温和と短気の組み合わせのように思われますが、実は似たもの同士ではなかったかというのが僕の感想です。 ニックカタラーノの『クリフォードブラウン -天才トランペッターの生涯- 』にマックスローチさんのドラムの特徴が記載されています。ちょっと長いですが引用します。 マックスローチのパーカッション奏者としての特徴は、ケニークラークによって編み出された、ライドシンバルでリズムパターンを作り一定不変のビートを送り出すドラミングにあった。この奏法によって、彼はライドシンバル以外のドラムを駆使して、カウンターリズムを叩いたり、テクスチャーを重ねたり、新しく間を作ったりすることができた。ローチはとりわけタムタムを活用しようとした。彼は入念にチューニングされたタムタムを用いて、パーカッションという楽器の可能性を追求し、メロディを、そしてハーモニーまでを生み出そうと努めた。ローチのテクニックは有名だったが、ブラウンが最も惹かれたのは、彼が叩くライドシンバルの、独特の静かな音だった。それはメロディ楽器奏者に微妙なニュアンスを表現できる余地を与え、ベース奏者には自分のプレイに対する自信を与えた。ローチのほうも、このドラミングによってベースの音を確実に聴くことができた。ブラウニーはまた、ローチの疲れを知らないパワーにも魅せられた。ブラウニーが好んでいた急速調のテンポにおいても、ローチは安定したリズムサポートを送り続け、いつでもブラウニーの挑戦を受けて立つことができた。 ブラウニーとローチさんはこのクインテットを立ち上げるにあたって、調和の保てるバンドつくりを心がけました。 たとえばいくら有能なミュージシャンでもバンドの調和を乱すような場合は参加を断りました。 ローチさんのドラムの特徴を考えてみても、あれだけテクニックを持っている人だったのにその技術を発展させていく段階から、ちゃんとバンドとしての自分を見据えていたのだなぁと感心します。 そしてそのことはクリフォードブラウンにも当てはまります。 クリフォードブラウン 『ジャズイモータル』 このアルバムはブラウンローチクインテットの合間にウエストコーストの一流ミュージシャンとレコーディングしたクールなウエストコーストサウンドあふれるアルバムです。 特にアレンジが素晴らしく、ジャックモントローズが綺麗なホーンアレンジのハーモニーを紡ぎだしています。 ブラウンローチクインテットを知っている僕は、このアルバムを前にするとブラウニーでなくてもよかったのではと思ったりするのですが、まったく違和感無く(本人はあったかもしれませんが)ウエストコーストサウンドになじんでいるのはクリフォードブラウンのバンドに対する姿勢の表れのような気がします。 このアルバム、縁あってレコードで手に入れることが出来ましたが、なんどでもターンテーブルにのせたくなるような爽やかさと細やかさがあります。 ちなみにこの録音の晩にはローチさんと、クールサウンドとはまったく異なるホットな演奏をし続けたそうです。うーん、凄いですねぇ♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.11 23:56:04
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