よしなしご利根

2005/01/17(月)15:28

「I have a dream」:キング牧師のドキュメンタリーを観て

アメリカ文化を考える(54)

1月15日は黒人公民権運動の指導者、マーチン・ルーサー・キングJr.の誕生日であった。 彼の誕生日を記念して、1月の第3月曜日(今年は17日)は国民の祝日である。 アメリカの教育テレビ的存在のPBSではキング牧師に関するドキュメンタリーをやっていた。 その名も「Citizen King」(市民キング) (映像も見れるこの番組のホームページはこちら から) キング牧師の演説、行進など多くの公的な映像だけでなく、題名のとおり一市民としての彼のプライベートな姿を映した映像や関係者の証言から構成された非常に興味深いドキュメンタリーであった。 26歳 市営バスにおける人種分離制度の撤廃をめざしたボイコット運動の指導者に(1955年) 34歳 ワシントン大行進(March on Washington)で「I have a dream」の基調講演(1963年) 35歳 黒人公民権運動指導者としてノーベル平和賞受賞(1964年) 39歳 清掃組合のストライキの応援にきた際にホテルのテラスにて凶弾に倒れる(1968年)   貫禄たっぷりということもあるのだが(笑)、彼がこんなにも若くしてリーダーとなり、世界に影響を与え、そして逝ってしまったのだと知って非常に驚いた。 有名な「I have a dream」の演説はワシントンDCのリンカーンメモリアルからこのような景色に向かって行われた。(当日は17万人の黒人と3万人の白人という計20万人の聴衆に囲まれた) 数々の演説が映し出されたが、どうしたらあのような迫力と説得力を持つことができるのだろうと考えさせられた。 間の取り方、抑揚のつけ方など、非常に高いプレゼンテーション能力を持っている。 しかし、それだけでは説明がつかない。 信念に基づいた自らの魂を込めて話しているからではないか。 歴史上の偉人から我々が学ぶべきことは計り知れないと再認識した。

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