2005/07/30(土)01:43
再びボクシングの聖地へ:二年以上振りの後楽園ホール
再び『ホール』へやってきた。
もちろん観るためであり、戦るためではない(笑)。
現役のプロボクサーだった頃は、ライセンスの提示で数多くの試合を無料で観られたことや、自分のジムの選手の応援という機会が多くあったために、週1くらいのペースでここに来ていた。
その総数は軽く100を超えると思う。
ちなみに後楽園ホール来訪を自分の試合のためという目的に絞ると、アマチュアの試合で1回、プロテストで1回、そしてプロの試合のための3回という計5回である。
スポットライトで眩しく照らされるリングの上はもちろんのこと、バンテージをコーチに巻いてもらいながら精神集中をする地下の控え室、アドレナリンが最高潮のリングへ上がるまでの花道、勝敗により明暗分かれるシャワールーム(確か2基あったが同じ空間なのが微妙である・・・)、そして試合直後に麻酔無しで5針縫われた医務室にいたるまで、喜怒哀楽を含めたさまざまな思い出が詰まった場所である。
今回の観戦は、私がアマチュア時代からプロ時代に至るまで大変お世話になったボクシング部OBの大御所、S先生から誘って頂いた。
S先生:「ToneHide君と同じような状況で大学の後輩がデビューするから応援しに来てよ」
話を聞けばM選手は大学一年生までアマチュアで戦績を重ね、今回大学二年というタイミングでプロデビューの運びとなったということである。
アマチュアで20勝を挙げてインターハイでもベスト8までいったという彼に私の戦績は足元にも及ばないが(笑)、大学在学中にアマからプロへの転向という共通点はやはり親近感がある。
リングを取り囲む殺伐とした雰囲気、選手達の緊張した面持ち、そして辛く厳しい練習に裏付けされた高い技術と粘り強い精神力。
試合内容を技術面から見る客観的な視点と同時にそれぞれの選手にいろいろな背景を感じてしまう情の視点を持ち合わせてしまう。
おかげでボクシングの生観戦はひじょーーーーーに疲れる(笑)。
デビュー戦からの緊張が見られ硬さは否めなかったものの、M選手の試合運びは危なげがなく、プロ叩き上げの相手選手を3ラウンドで仕留めてみせた。
こいつはもっともっと強くなるだろう。
おじさんが越えられなかった壁を越えておくれ!
S先生が確保してくださった席はなんとリングサイド二列目という素晴らしい席であり、選手達による肩や足のフェイントだけでなく、目によるフェイントまで伝わってくるほどの大迫力だった。
ミーハーな話題で言えば、元世界チャンピオンの川島会長や、ボクシング漫画『はじめの一歩』の作者森川ジョージ氏(あるボクシングジムのセコンドをしていた)をすぐ近くで見かけた。
ちょっとマニアックゾーンに突入すると、日本の著名なボクシング評論家、ジョー小泉氏がリングサイドで試合を観ながら同時にノートパソコンに何やら打ち込んでいるのが非常に気になった。
試合観ながらその場で評論も書いているのだろうか・・・。
こんな私でも1つ1つの試合について書き始めるときりがなくなるのでこの辺で(笑)。
それにしても、この日リングに上がっていたボクサーがそれぞれの1ラウンドに費やしていた集中力というのものは本当に計り知れない。
日常生活で、特に仕事のような場でこのような密度の濃い、そして真剣そのものの集中力で臨めばものすごい成果を発揮するのではないだろうか。
ボクシングが3分集中して1分は完全に休むというように、オンとオフのめりはりも大切になってくるだろう。
最近自分がぬるま湯に浸かっていることに気付きハッとするとともに、日々気合いの入れどころを作っていこうと自戒したのであった。
そうは言っても、真っ白に燃え尽きてしまわない程度にしておきましょう(笑)。