雨が煙る 街


雨が煙る 街が煙る
レース越しの風景
嘘や悲しみで
薄汚れた全てを
洗い落としているのか
心の奥まで滲み渡る
静かな空気と
エアコンで乾ききった身体を包み込む優しさ
青空を求めつつも
どんよりとした
この空間に安堵する
心は、
青白い煙草の煙と共にゆらゆらと立ち上り
やがて空の彼方に
消えてゆく
何処まで昇れば
全てが見えるのか
雨に煙るこの街
僕は、何処にいるんだろう
雨は、いつまで
降るんだろう
心の乾きは、
もう、癒えたのか
誰が教えてくれるのだろう




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