2009/09/14(月)21:00
表現の工夫〔2〕
“例えばね・・・”と言って持ち出した例が次のこと。
お姉ちゃんがちょうどいたのでちょっとそれにひっかけた。
●お母さんが“二人で仲良く食べなさい”と言っておやつを出してきてくれた。
ところがお姉ちゃんがそのほとんどをささっと持って行ってしまった。
僕の頬にはスス~と涙が伝わり落ちた。
■お姉ちゃんが外から帰ってきて僕に言った。
“ねぇトム、ほらトムが好意を寄せているあの子、
さっきトムのことを私にしきりに話してくるのよ。
あの子も間違いなくトムに好意を抱いているわよね。
ブラボ~、トム”。
僕の頬にはスス~と涙が伝わり落ちた。
“なっ、
前の文もあとの文も「僕の頬にはスス~と涙が伝わり落ちた。」
と書いているけど、
どちらも「悲しかった」とか「嬉しかった」という言葉を使ってないだろ。
でも書き手の感情は伝わってくるよね。
その伝えたい感情を読者に感じ取ってもらうために
「最小限必要な事実関係」をしっかり書いたからだ。
こんなふうに書くことを心がければ、
トムの感想も読者が読みたくなるようなものに変わるよ。”
トムの表現修行が始まった。
それがある程度できるようになれば、
トムはきっと一皮剥ける
・・・・・了