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2007年02月03日
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カテゴリ:書籍
平和のための組織は

 ・・国際政治学者の舛添要一氏が「平和を得るには戦争の準備が必要だ」「平和を望む者は戦争の準備をするーこれが歴史の教訓であり国際常識である・・」(97.5.11週刊読売)
 氏の意見からすると、アジアの平和を保つために、日本に米軍基地は必要であり、核保有することにより、世界平和を維持するということも賛成になると思います。武器がなければ、軍がいなければ、平和になることができないのでしょうか。氏が言う通り私のような考えが平和ボケした日本人の典型なのでしょうか。
 でも武力による反乱があったから平和回復のために武力で抑える。これではその時は確かに平和になるかもしれないが、結局何の進歩もなく、同じ事の繰り返しのような気がします・・
 コスタリカは80年代のニカラグア・エルサルバドルにおける中米紛争をエスキプラス2という提案で平和解決を実現しました。しかし合衆国は左翼的な芽が出ると摘み取ってくれる軍事政権に巨額な軍事援助をし、その援助を受けた国ほど民主化への移行が遅れています。それに中米・カリブの紛争を新兵器あるいは戦闘部隊の実験場として利用していたのです。このことを見ても平和を得るには戦争の準備が必要と一言で片付けて良いのでしょうか・・平和を維持するのにはどのような組織が必要でしょうか・・

奥田の返事

 ・・氏の言う「平和」の定義は私や・・さんが考えている(恒久)「平和」とは違います。氏の言う「平和」は力による平和です。
 平和のために戦争の準備をすることが歴史の教訓というのは、恐らくヒトラーに対するチャーチルの苦い経験を指していると思います。もし英仏が戦争の準備をしていれば、第2次世界大戦は勃発していなかったということでしょう。
 また米ソが戦争の準備をしていたため、世界大戦が起きなかったことを言いたいのかもしれません。核があったからこそ米ソは全面戦争をしなかった、と。
 でも戦争の準備をすることが平和を得るとか、核があるから平和だというのは、一般の市民感覚、これを平和ボケといわれるものかもしれませんが、かなり変ですね。やはり核をなくし、戦争をなくすよう努力をしなければ、人類の進歩はないと思います。
 現在の国際社会の常識は確かに国家は軍備をもちます・・常識は必ずしも正しいものでもなければ、未来には非常識になるものかもしれません。現に150年前の日本では、各藩が武器を持つのは常識でした。(常識は現状の秩序を保ちたい勢力が用いる言葉では?)
 次に「アジアの平和を保つために、日本に米軍基地が必要」という見解は、日本の自衛隊を米軍が抑えるためにあるというのであれば、アジア近隣諸国は支持するでしょうが、米軍基地を中国が脅威に感じているならば、やはり考えものです。北朝鮮が何をするか分からないという不安要因が米軍基地必要論の根拠になっていますが、睨まれているのは北朝鮮のほうでしょう。
 冷戦後のヨーロッパ地域では軍縮が進みましたが、東アジアではむしろ軍拡が進行しています。日本の軍事力増強が中国を刺激しているとしたら、不幸なことです。今、中国はかなりの勢いで近代兵器に転換してます。これが日米安保の必要性を唱える世論になることに私は警戒しています・・
 ・・世界議会を作ることは可能だと思います。国連憲章22条は補助機関について規定してます。つまり憲章を改正することなしに、補助機関として議会を設置することが可能・・後は「平和の条件」に書いてある内容に向かって行くことでしょう・・

国連憲章51条

 ・・87年にノーベル平和賞を受賞した・・オスカル・アリアス・サンチェス氏についての本を読みました。
 コスタリカはずっと親米政策の国にもかかわらず、彼は大統領選の時、モンヘ前大統領が宣言した非武装中立を維持し、中米問題(この頃エルサルバドル、ニカラグアは国内紛争が絶えなかった)の対話による平和解決を主張しました。対するカルデロン候補は親米路線を推進し、米国の傘に入ることによって自国の安全と発展を実現させるべきだと主張・・この小さな国(コ)が生きる道は、それ以外にしかないというのが彼の国民に対する訴えでした。
 しかしアリアスが勝った・・その後コは平和解決を全面に押し出してきます。時の米・レーガン大統領はア大統領とは違う考えをもって、この中米問題を解決しようとしていましたが、アは同意しません・・なんて強い意志なんだろう!・・アはヨーロッパ諸国を回り、自分の平和解決案に同意をしてもらい、経済援助を頼んで回っていました。だから米と対立したことで、世界から孤立することはなかったのです。日本はもし米と対立しても他の国が日本を応援してくれるのでしょうか。
 アが訴えるのは「対話」でした。ゲリラとの対話、国民との対話、すべての人々、そして国々との対話でした。ここで問題があります。フジモリ大統領は決してゲリラと直接対話をしようとしませんでした。(1度NHKスペシャル・・大統領がコメントしていましたが忘れました)どうしてでしょうか。
 現にアリアスは直接ニカラグアのゲリラ・コントラと対話しています。やはりアの政策に不信や不安を抱いた国民もいたようです。彼らはコスタリカ国境に中米の暴威が入ってくる前にそれを防ぐため軍隊を作らねば・・という恐怖を抱いたようです。それについてアは「何という意味のない弱さでしょうか」と言っています。彼らというのは日本人も同様であるように思います。
 ・・「今までなされなかったからといってそれを実行しないであきらめてしまっいたら、恐らくアメリカ大陸が発見されることもなかったでしょうし、人類が月に着陸することもなかったでしょう。実行しないで諦めてしまったら、永遠にこの病気は治療が不可能だからといって諦めたり、戦争が続くのを諦めて受け入れたり、中米のこれから続くであろう残酷な歴史を受け入れたりしなければならなくなります」
 世界連邦も確かに今ではまだ理想とか思われるかもしれないけれど、だからといって諦めたら何もならないということですネ。
 私はこの87年の朝日新聞を読み返し、記事を探してみました・・しかしただ事実が書いてあったり、視点が米よりなんです。とても残念でした・・コスタリカの新聞「La Nacion」が「日本は平和、平和といっていながら、他の国が平和建設のために一生懸命やっていることにどうして関心を持ってくれないのか」と嘆いた記事があった・・
 ・・国連憲章51条の意味・・&ラ米諸国がこの規定を盛り込むことを求めたことも気になります・・

奥田の返事

 私もアリアスのような政治家を尊敬してます。と同時にアを選んだコスタリカの国民も尊敬しております。国の政策は、いくらアの政策が立派でも、国民の選択と支持によるものだからです。
 フジモリ大統領がゲリラと直接対話をしなかったのは、私の推測ですが、やはり民主主義の基本原理である選挙によって、国民の厳粛な信託を受けて大統領の地位にあるわけですから、それを民主主義のルールに則っていない犯罪者と対等な立場で話しあうことができなかったのでは・・ 「予備的対話」の「予備的」は、まさにそのことを表していると思います。
 次にルーズベルトの構想についてですが、ルは第2次世界大戦の戦況がどうなるかわからない時点で、早くもチャーチルと大西洋上で大戦が終わったら、どういう戦後世界にするか、について話し合っているんですね。日本は成り行き任せで戦争をして、先を見通していない時にです。その戦後世界は、ルの構想を原型に国連が誕生して、米英ソ中仏で運営することになるのです・・
 集団安全保障体制と集団的自衛権の違いは少しややこしいかもしれません。簡単に言えば集団安保は国連の体制・・集団自衛はNATO、ワルシャワ条約機構などの軍事同盟・・
 ・・国連憲章51条は集団的自衛権を認めていますが、国連の目的(憲章1条)に照らすと、問題があります。国連の目的は平和の維持でありながら、一方で51条は国連の外で軍事同盟を認めているからです。
 ではどうしてこうなったかというと、国連についての会議は45年4月サンフランシスコで始まるのですが、その前の3月にアメリカ大陸諸国は、チャプルテペック協定(規約)に署名して、戦後の相互援助条約を締結することを、既に約束していたからです。
 この協定では、アメリカ諸国はこのうち1国に対する攻撃は、全ア諸国に対する攻撃である、というような内容のものを宣言しています。
 4月から始まったサ会議で、このチャ協定の問題について随分議論に時間がかかったようです。米英ソ中でまとめた案と相容れないため、チャ協定を国連の機構の中で、どうやって調整していくのか手間取ったのでしょう。結局チャ協定を国連体制の例外として、51条の内容になったのです。(ラ米諸国を国連に加入させるための妥協の産物?スペイン語まで国連公用語に?)
 なおチャ協定の名前の由来は、私の記憶に間違いがなければ、メキシコ市のチャプルテペック城で協定が締結されているところからきています。
 ・・51条が戦後、同盟条約の法的根拠となって、冷戦下でNATO、ワルシャワetcに拡大していったことは不幸なことでした。結局戦後世界を5大国で運営していく国連体制は、機能麻痺を犯してしまいました。5大国一致でなければ国連は機能しないのです・・

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最終更新日  2007年02月03日 13時19分39秒
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