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どうも小生は粗忽であって、細かいところに行き渡り、ミスなくお仕事をこなすことは得意じゃありません。
ザクッと大雑把に仕上げたり、手っ取り早く完了させたり、そんなことはわりに得意です。
だから、よく手抜きのやっちゃんと呼ばれます。
人には各々得手不得手がある、と言いますが、小生の仕事場でおとなりに座っているまりこさんは、ものすごく小生の欠点を補うのが得意です。
「ここ足し算が間違ってます」
「ここお客様のお名前、間違ってます」
「ここ納期のつじつまが合いません」
大変、まりこさんクールに指摘します。
小生、「はい、そうですね」「はい、おっしゃるとおりです」「はい、すみません、お代官様」と謝ってばっかりです。
まりこさん、もともと大きな会社の事務関係でかなり鍛えられてますので、その正確さと迅速さにおいて、小生、全幅の信頼を置いています。
まりこさんから、「あのう・・・」と声をかけられたら、小生、悪いことしたわけじゃなくても、つい反射的に「ごめんね」という顔になり、つつましく襟を正す日常であります。
子供の頃、おふくろがふとんたたきを持ち出したら、悪さしたわけじゃないのに、つい反射的に「ごめんばい」と言って、覚悟した気持に似ています。
こうやってチェックしてくれる人のことを大事にした方がよいと思います。
チェッカーは、決してその人を攻撃してるわけではないのです。
自分の苦手を補ってくれる仕事上のパートナー、気づかないことを指摘してくれるパートナー、時にプレッシャーを加えてくれるパートナー。小生にとっては、最高のパートナーであります。
今週は、ホリエモンのニュースとオジャマモンの「証言拒否」のニュースが、大変騒々しかったですね。
小生も別個のブログでホリエモンのこと、いろいろ書きました。
このふたつのニュースを、あるキーワードで共通項にくくることができます。
小生は「規制緩和」というキーワードで、くくってみます。
ホリエモンの事件は、商法や民法の改正という「規制緩和」の、ある抜け穴をくぐり抜けて発生しました。
つまり、ホリエモンの手口は、緩やかになった「株式分割」という方法をダイナミックに活用して、実力以上の株価を引き上げる手法をとりました。
また高くなった株価を利用して、現金でなく株式で会社を買い取ることの出来る手法「株式交換」も、「株式分割」とのワンセットでうまく利用しました。
更に、民間や個人の投資を促進させるための「投資事業組合」という新しい手法も、自社の中にうまいこと取り込みました。
まだこれから新しい事実が、ドドッと水面上に現われてくるでしょうが、以上のようなホリエモンの手法は、どれもこれもここ数年の「法改正」という名の「規制緩和(規制改革)」により、使えるようになったモノでした。
オジャマモンの事件も、その意味では同じ模様です。
11年前の阪神大震災を契機として、建築物に対する「耐震性」ということをちゃんと基準化しようということになりました。
基準を定めるならば、その基準を管理監督する必要があります。
ところが、膨大な数の建築物に対して、お役所がすべてそれらを管理監督していくには、時間的にも人的にも無理があります。
そこで、耐震基準の「建築確認」という部分を、民間委託という形で「規制緩和」しました。
建築にかかろうとする時の、最終チェックポイントである「建築確認」がちゃんと為されていたならば、例えばオジャマモンが飛行機乗り回すほど、うまいこと出来なかったでしょう。あのかつらかぶった姉歯という建築士も、全国の人に「かつらだ、かつらだ」と騒がれることもなかったことでしょう。
規制緩和は、必要なことであったのでしょうが、その結果として緩やかになった出口部分を、意図的に利用したのか、更に踏み込んで、そもそも構造的な仕組みを、登場人物達が作為的につくっていたのか、ここらは大変複雑でよくわかりません。
このふたつの事件の共通項「規制緩和」という流れには、変わりはないと思います。また基本的に規制緩和(規制改革)」自体は、避けて通れない道筋だと思います。
このふたつに欠落していたこと、それは「チェック機能」であろうと思います。
法律が改正されたり、組織が変わったり、という「変化」がある時には、必ずそれをうまく活用しようとする、はしこい人たちが出てきます。それはそれで仕方ない、というか、逆に肯定できる部分もあります。
要は、変化があった時には、それとワンセットで「チェックする」という機能が世の中に必要なんでしょうね。
「規制緩和」と「チェック機能」が、ほんとにほんまにワンセットであることをこのふたつの事件は、教えてくれるのでありました。
それはあたかも、「やりっぱなしのやっ太郎」と「チェックのまりこさん」がワンセットでいいお仕事ができるのと、全くおんなじなのであります。
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