赤い靴下を履いた虎

おととい、昨日とテレビで阪神戦を見ていて軽い違和感を覚えた、別に試合がどうこうということではなくて野球の風物詩とでもいうべき鳴り物の音がまったく聞こえてこなかったからだ。楽天の本拠地フルキャストスタジアムは鳴り物の応援が禁止ということで、アカペラでヒッティングマーチを歌うという普段では考えられない光景となったみたいだ。
まぁ、よその球団の応援スタイルについて別にいちゃもんをつける気はさらさらないので、楽天の応援スタイルとして鳴り物を使わないというのならそれはそれで全然かまわないと思うけど、それを他球団のファンにまで押し付けるというのはどうなんだろうと思ってしまう。東北に住んでいるとなると生でタイガースを見るという機会はなかなかないだろうから、東北のファンはこの２試合をずっと楽しみにしていたに違いない。その生での野球観戦への渇望の中には「鳴り物応援を楽しみたい」という気持ちも少なからず含まれていると思う。年にたった２回しかない東北でのタイガース戦なんだから、その願いを特別にかなえてあげて東北のファンにも存分に野球観戦・生応援を楽しませてあげたってよかったんじゃないだろうか。
ちなみに、楽天も応援スタイルはロッテのような独自の路線をいくものじゃなくてメガホンを叩きながらヒッティングマーチを歌うという従来型の応援スタイルを踏襲している。メガホン、ヒッティングマーチはあるけどトランペットはなしっていうのは、中途半端というか、鳴り物禁止の意味ねぇ～って気がするんですが…。まぁよそ様のことなので別にどうでもいいんですけどね。

この鳴り物応援に対して「球音が楽しめない」とか何とか抜かして反対する輩がいるけど、それを聞くともうブチギレですよ、得意気な顔してなにが「球音を楽しめない」だ。お前は本当に「球音を楽しみたいのか」と問いたい。問い詰めたい。小１時間問い詰めたいそんな気持ちになる。
球音を楽しむ」とかいって鳴り物に反対するやつは、大体
（１）野球のことをなにもわかってないくせに単に通ぶって言っているだけ
（２）メジャーリーグないしアメリカ崇拝主義者
（３）鳴り物というよりは応援団と言う存在に対して嫌悪感を抱いている
のどれかに大別できるんじゃないかと思う。テレビのコメンテーターなんかで「球音が…」なんていっているのは、ほとんど（１）でしかない。球界のご意見番「俺が許さん」豊田さんはおそらく（３）で最近は（２）も入ってきたかなぁという感じがする。
そもそも鳴り物応援反対論者が言う「鳴り物があると球音が楽しめない」というはホントなんだろうか虎靴下も年間そんなに球場へ足を運べるわけはないので定かではないけど、鳴り物ありの外野スタンドにいてもバットがボールを弾く音っていうのは充分に聞こえると思うんだけど…。ネット裏なら打球音はメチャクチャ聞こえるし、ボールがミットに収まる音もけっこう聞こえたりする。だから、この「鳴り物があると球音が」という反対論者の意見はもっともらしい嘘であって、本人は通ぶってしたり顔で言ってるけど、実際のところは「ホントに球場に行ったことあるの」と言いたくなるような失笑ものの意見に過ぎない。
そもそもこの鳴り物の応援というのは７０年代にカープの応援団が始めたのが起源で３０数年の歴史があって、これは鳴り物応援が日本のプロ野球の歴史の半分を彩ってきたことを意味する。一球団の応援から始まったものがファンのニーズもあって他の球団にも波及し、それがこれだけ長い間ファンに愛され続けているんだから、鳴り物応援は一つの日本の野球文化と言っても間違いない。メジャーの観戦スタイルがどんなものであれ、日本には日本のスタイルがあるんだから、日本の独自性を否定する神経が自分にはよくわからない。

そういうわけで虎靴下はガチガチの鳴り物応援擁護派なわけですが、野球は１回の表から９回の裏まであるゲームなわけで、ずっとのべつ幕なしに鳴り物応援をするんじゃなくて、どっかのイニングでは鳴り物なしで静に野球を観るというメリハリをつけるくらいのことはやってもいいかもなぁとは思う次第です。この鳴り物あるなしの問題って別にオールオアナッシングで解決しなければならないというものじゃないでしょう